リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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あれだけ櫂アイ櫂アイ櫂アイ三和櫂と言っておきながら、いざ二次創作するとあっさり櫂三和になってしまう私は、吹亮・亮十スキーで本命亮吹です\(^o^)/
櫂アイは公式が櫂アイ過ぎて二次創作できないに10000ポイント。
アニメ版7話の直後のつもりだったけどそうでもなくなった結果、8話とか出たときに全否定されかねない話になってしまった(爆)けど気にしない!(笑)
櫂三和と言いつつ三和櫂っぽくもあるのは仕様です。

 親愛―friendship

 櫂がいくら関わるなと拒んでもめげないアイチに、結局は「勝手にしろ」と言ったあれは、櫂が根負けしたのだと三和は思う。櫂が頑なに独りになろうとしても、アイチはそれを許さない。
(まんざらでもないんだろうけどなぁ)
 アイチが見ているのは、今ではなく未来。今は駄目でも、未来にはどう変わっているか分からない、だから櫂にも、確証のないそれは拒みきれない。
 未来まで拒み始めたら危険信号だろう。そうではないから、三和は放っておこうと思った。
 櫂が何に囚われているのかは分からない。ただ多分、アイチのようにまっすぐには、未来を見つめられない何かがあるのだろう。
 アイチのように憧れているのとも違う自分には、今の櫂に、かける言葉を思いつかなかった。

 * * *

 アイチが期待したように、櫂はカードキャピタルに来るのをやめたりはしなかった。そうして何日か過ごす内にこんなことを思いついたのは、多分アイチ達の無邪気さにあてられていた部分もあるのだと思う。
 カードキャピタルからの帰り道、三和はこう言った。
「なぁ、俺んち来ねぇ?」
「………」
 無言でくれた一瞥からは何の感情も読み取れず、三和は先を続ける。
「お前んち行くのはナシなんだろ?だったら、お前が俺の家来るのはどうなんだ?」
 予想したよりも不機嫌な顔で、櫂はこう言った。
「あいつらが言うような友情ゴッコでもしたいのか?」
「…それは…」
“住んでるところも知らないんじゃ、友達なんて言えないですよ”
 カムイが言った言葉が、ひっかかっていないと言ったら嘘になる。
「お前に、俺の友達になれとは言わない。けど…俺は」
 睨むように見つめてくる視線に、三和は言葉を失う。
 が、次の瞬間、別の意味で、言うべき言葉を失った。
 ゼロ距離にある櫂の唇が、三和の口をふさいでいた。
「………っ」
「…こんなことがあっても、いいのか?」
 三和が凍りついたのは、その声の冷たさにではなかった。
 櫂がそんな風に、何かの順序を踏み外してショートカットしてきたこと―確かに“友達”とは違うやり方で、けれど接近してきたことにだ。
 奇妙なほどに冷静な声で、三和はこう答えた。
「…ああ、いいぜ」
 櫂の瞳に驚愕の色が浮かぶ。
 三和自身、こんな展開を予想していたわけではない。
 地雷を踏んだと思ったし、それは自分のミスだろう。
 けれど同時に、多分、自分が望んでいたシーンでもあったのだ。
 あくまで真剣な顔で、三和は言った。
「けど櫂、分かってんのか?それは、お前が俺に借りを作ることだぜ」
 挑むように見つめた先で、硬直した櫂の顔が、痛みをこらえるように歪んだ。
 ためらいがちに俯く。
 流れてくる街のざわめきが、沈黙の間を埋める。
 長いような短いような逡巡の後、顔を上げた櫂の表情はは、さっきよりも幾分落ち付いて見えた。
 ため息をひとつついて、櫂は三和の横を通り過ぎる。
「…え、おい!」
 その声に振り向いた櫂が言う。
「お前んち、行くんだろ」
「何?」
「借りはもう、できただろ。だったら、どっちだって同じだ」
 そんな風に櫂は言った。
 近づいた事実は取り消せない。多分、そういうことなのだろう。
 ぽん、と、三和はその肩を叩いた。
「何する」
 嫌そうにこちらを見る櫂に、三和は笑った。
「へへっ、そーいう顔もできるんじゃん」
「うるさい」
 そう言った声は、たまに櫂がアイチにぶつける同じ言葉と、似ているようで違う。
 眩しいものを見るアイチの視線に、櫂は多分、どこかで応えたいのだ。アイチの憧れる自分と、自分が思う自分と、そのギャップの狭間で、どちらも取り切れないまま苛立っている。今日はきっと、その憧れが少しだけ重かったのだろう。
 そして三和は―櫂が、憧れの重さに耐えきれないでいるときに、櫂が思う櫂を、受け止めてやりたいと思ったのだ。
 それが、本当の櫂とは、必ずしも一致していないとしても。
(お前は俺の友達じゃないかもしれないけど、俺はお前の友達でいたいよ。いつか―友達だって、思ってくれたら)
 借りはいつでも帳消しにする準備はあるんだと、櫂は気づくだろうか。
(俺は、お前のこと好きだから)

 独りで壊れるようなことにだけはならないでくれと、祈るようなそれが、三和の櫂への想いだった。

 fin.



…という友情物語でした。
一線越える気満々だけど私的にはこれ友情だよ!(爆)
この年頃(じゃなくても)の男の子(女の子も?)って、「自分の思う通りの自分がそのままで周囲に認められること」をすごい渇望してるような気がするんですが、どうでしょう。
それは変に全肯定されないほうが本人のためだと、個人的には思います。

追記:修正しました。
具体的に言うと、無理やり足していたアレな展開に持っていくためのやりとりを正気に戻って削除しました(笑)
トチ狂っていた櫂くんを一瞬で正気に戻す三和くんのフォロースキルぱねぇ。

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