リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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35話のバスのシーンがあまりに秀逸だったから櫂でモノローグ書いた。
冗談抜きで純粋に感動できる傑作シーンだったよ…。
それでお前はこれか!!と言われたら、乙女の感性とはそういうものです!!!と返します。

 チームQ4のヴァンガード合宿が終わろうとしている。
 海だの水着だの騒いでいる奴がいたけれど、それが気にならないくらい、チームカエサルとの光定とのファイトに没頭した。同じようにヴァンガードに熱中できて、同じレベルで本気で闘える相手。楽しくない訳がなかった。
 それに不本意ながら付け加えるなら――ヴァンガード以外の特技を披露できたことも、楽しくなかったと言えば嘘になる。
 
 ただ、だから。
 
 合宿が終わろうとしている、今この瞬間。
 チームカエサルとのファイトを餌に、この合宿に俺を引っ張って来た張本人が。
 帰り道のバスの中、沈む夕陽を背に、微笑みで語りかけてくる三和が。
 何も言ってこなくて、それがかえって居心地が悪くて、窓の外へと視線をそらした。
(恩着せがましく、はしゃげばいいだろう……こういうときは)
 「来てよかっただろー?」とかなんとか、いつもの笑い方で言えばいいのに。そうすれば「うるさい」と一言言い返して、それで全て片づけられるのに。そうすれば、こんなに落ち着かない気分にはならないのに。
(何故、何も言わない)
 本当は俺のことなんてどうでもいいから?自分が楽しむためのついでだから?
 いっそ本当にそうなら、それでいいのに。利害の一致なら分かりやすい。同じ利害に連帯するだけの、儚い縁なら。
 それでも、どうしても、三和がそんな人間だとは、思えなくて。
(……三和は、俺とは違う……)
 それなら何故、何も言わないのだろう。
 何故こんなときに、突き放すような優しさを見せるのだろう。
 向けられている感情が分からない。
 だからどんな感情を向ければいいのか分からない。
 心がざわつく。
 一番嫌いな、一番不安な、不気味で得体の知れない感情。
 その正体を知りたくなくて、窓に流れる景色を見つめ続けた。
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[04/25 藍維那]
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K玲(仮名)のハンドルで主にヴァンガードSSを投稿しています。日記に載せたのを後日修正転載が基本。
pixivからこのサイトにはリンク等を貼っていません。あんな大手SNSからこんなコアなサイトに直接飛べるようにする勇気無いです\(^o^)/
あと最近転載しているTwitterはpixivのプロフから飛べます。非公開中です。なんでそんなめんどくさいことしてるんだなんて聞かないであげてください。コミュニティごとに人格切り替えないとパニックになるタイプなんだよ!!(明らかに最初にpixivとHP切り離したのが敗因)

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