リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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意地っ張りのブルース」からまさかの後日談。ジュン様他裏ファイターズが更生しました(ゑ)
後日談の後日談で櫂と三和も出てきます。
ひょっとしなくても私はジュン様めちゃくちゃ好きなのかもしれない…。
銀銅「苦しいぜ、ジュン様!」ジュン「いやぁ、楽しいよ。これから聞ける君(※櫂)の悲鳴を想像するとね」←このやりとりが本当いろいろ可愛過ぎる。銀銅あんなむさいビジュアルなのに!(笑)
「リミナリティ(liminality)」は使い方間違ってる気がします。そして意味通じないよね…うん…。大辞林によると「日常生活の規範から逸脱し、境界状態にある人間の不確定な状況をさす言葉」らしいです。らしいってお前。
よく考えたら金歯の銀銅の口調って100%捏造かもしれない。櫂はともかくジュンとの普通の会話が…ほとんど…。

 さよならリミナリティ

「台風みたいな奴だったな」
 とある日の朝方、ようやく帰っていった珍客達――ここ数日手を焼いていた櫂と、彼を訪ねて来たコーリン、案内役の三和――を見送って、ジュンは呟いた。
「散々だったッスね」
 相槌を打った銀銅を振り返って、ジュンは舎弟達に声をかけた。
「ああ、君達もお疲れ。悪かったね、さすがに二日も三日もあいつの相手はできなくて」
 櫂が一番荒れていた初日は、ひたすらジュンが櫂の相手をしていた。一応大方のガス抜きはできたものの、決め手に欠けるのか次の日もその次の日もやってきて、結局コーリンとのファイトで吹っ切れるまで、ジュンの舎弟達が代わるがわる延々櫂の相手をしていたのだ。
「いや、いいッスよ。あいつ、サンドバッグ欲しかっただけみたいだし」
「うん、まぁね……」
 だから嫌だったんだとは口にはできなかった。彼らが櫂の相手をすれば、文字通りサンドバッグにしかならない。そもそもが、見た目でカムフラージュした小心者の集団なのだ。裏ファイトなんて言ってもままごとでしかないことは、ジュンが誰よりも分かっている。
(八つ当たりで僕たちをターゲットにするあたり、落ち込んでも弁えてると言うかしたたかと言うか外道と言うか……)
 正味の話、櫂とジュン達は全くと言っていいほど関係が無い。櫂は関係がある人間にみっともないところを見せたがるタイプではないし、まして八つ当たりなど絶対にできないだろう。
 とはいえ、この裏ファイトそのものが行き場の無い青少年の八つ当たりみたいなものだ。その点同類でもあることは、櫂はしっかり嗅ぎ分けていたに違いない。裏ファイトには、櫂の八つ当たりを裁くルールも存在しないのだ。
 それなのに櫂に「ルール違反」だと言ったのは、無法地帯を求めてきたはずの彼が、表のルールに従って自己嫌悪していたからだ。まるで自分を見ているようで、単純に追い払うこともできなかったけれど、どんなキャパシティをしているのか、溜まりに溜まった櫂の憂さ晴らしの相手をするのは、さすがに骨が折れた。
 やれやれとジュンが息をついていると、銀銅が声をかけた。
「……あの」
「ん?」
 聞きにくそうな顔をしながらも、銀銅が尋ねる。
「ジュン様は……ひょっとして、表の世界に戻りたいんスか?」
 結構な意表を突かれて、ジュンは聞き返した。
「いや……何故?」
「俺らなんかと違って、ジュン様はこんなとこじゃなくてもやってける人じゃないッスか。櫂の野郎は気にくわねぇけど、なんか、あいつのお陰で目が覚めたっていうか……」
 どうやら銀銅は、ジュンの器を改めて見直したらしかった。まさか櫂の八つ当たりが、こんな副産物を残していくとは思いもしなかった。
 良い悪いは、ともかくとして。
(別に戻りたいとかは、思ってなかったんだけどな……)
 それでも、ジュンには即答できなかった。櫂と関わったことで、ある種の可能性のようなものを感じたのは事実だ。櫂には「表も裏も変わらない」などと曖昧に言ったけれど、それはそうネガティブな意味ではなかった。
「ジュン様は、きっと俺らのこと見捨てられないから、そういうの言えないんじゃないかって……」
 そのセリフに、ジュンはひやりとしたものを感じる。
 自分が思うよりは、自分のことを理解されていた。
 それがどちらかと言えば、後ろめたかった。
「……そうじゃないよ」
 何のせいでか冷えた声音で、ジュンはそう答える。
「いつも言ってるだろう?僕は誰も信じてないって。君たちだって……」
「俺は、ジュン様のこと信じてます!」
 そうだろうという言葉は、銀銅に全力でかき消されてしまった。
 その気迫に圧されて、ジュンは目をしばたたかせる。
 慕われている自覚はあったけれど、ここまでとは思っていなかった。
「……信じられてなくても?」
「信じてもらえなくて当然じゃないッスか俺ら。弱いし、すぐ逃げるし、ジュン様に守ってもらってばっかで……」
 銀銅はそれが事実だと思っているのだろうし、実際過去には事実だった。それでも、ジュンはそれを言葉通りには受け取れなかった。
 弱いことには変わりないかもしれない。けれど今、ジュンが感じているのは、自分が彼を甘く見ていたということなのだ。
「……けど、それでも俺ら、ジュン様の足を引っ張りたくはないッス。だから……」
 その先は結局言えないようだった。
 多分、表の世界に戻りたいなら、気にせず戻ってくれとでも言いたかったのだろうが。
 そこまでは言えないとうなだれる銀銅に、ジュンは呟いた。
「……今、ちょっと信じたかも」
「え?」
 満足してるようには見えないと、櫂には言われた。確かに満足してはいなかった。お互いはみ出し者同士には違いなかったのに、一人だけ異質でいることに。
 ルールの是非など関係なく、他人の決めたルールに従えば守られる、そんな理不尽さに嫌気がさして、裏ファイトに身を投じた。ルール無用を掲げた潰し合いの果てに、気づけば周りに残っているのは弱い者達だけだった。そして弱者は、身を守るために自分の下についた。
 彼らを従えているのは、強さの証明としてだけではなくて、自分がそういう性格だからだ。キングとしての傲慢な振る舞いで彼らを守れると気づいたとき、ジュンは確かに歓喜を覚えた。そしてまた、自分自身がルールとして彼らを縛っているという、ほんの少しの後ろ暗さも。櫂に罪悪感を捨てろと言ったあの言葉は、結局は自分への言葉でしかない。
 そんな状態で独り上に立ち続けることに、疲れを感じないと言えば嘘になる。だから櫂が羨ましかった。同じ高さで、認め合いながら張り合える相手がいる彼が。だからこそ、櫂が落ちてしまっている間は、プライドに懸けて相方を頼るわけにもいかなかったのだろうが。
 けれど――自分が思っていたほど、この上下関係は絶対ではなかったのかもしれない。
 見せかけの上下関係を、暗黙の了解でロールプレイしていただけ。
 互いの自由を願う気持ちは――互いを大切に思う気持ちだけは、同じ高さにあったのだ。
「……見捨てたりはしないよ」
 さっぱりとした声で言ったジュンを、銀銅達は心配そうに見つめる。
「ジュン様……」
 そんな彼らに、唐突に思いついたことを告げてみる。
「君達、正攻法で強くなってみる気、ある?」
 一瞬、何を言われたのか分からないようだった。
 けれど理解したのだろう次の瞬間。全員が次々に頷いた。
「は、はい!」
「はい!」
「はい!!」
 これは台風一過を櫂に感謝してもいいかもしれないと思いながら、ジュンは朗らかに笑った。

 * * *

 後日。

「……あ、ジュンからメールだ」
 三和が口にした予想外の名前に、櫂が尋ねる。
「いつの間にメアドなんか交換したんだ」
「お前がコーリンちゃんとクールダウンの組手ファイトしてたとき」
 日も暮れてから訪れた裏路地で、完全に夜を明かすことになったのは、櫂の神経が高ぶりすぎていたせいだった。乗りかかった船だと、PSYクオリアを超えると宣言した櫂につきあって、コーリンは朝までファイトしていた。
 三和のほうはと言えば、途中までは起きて見物していたものの、さすがに睡魔に勝てず、ジュン達と共に適当に眠ってしまったのだが。
「えーっと何なに……?……へぇ……!」
 感心したような雰囲気で軽く驚く三和を、櫂が疑問符つきで見やる。
 メール画面から目をそらさないままで、三和はその内容を櫂に告げた。
「ジュンの奴、カードショップでバイト始めたから、暇なら遊びに来いって」
 櫂は暫く考えると、こうコメントした。
「よく雇ってもらえたな?」
「まぁ、あいつら割と仲間内でわいわいやってるだけだったし」
「……行くのか?」
「お前は行かねーの?」
「誘われたのはお前だろう」
「いんや、俺に言ったらお前にも伝わると思ってるぜ、あいつ」
「は?」
「ジュンだけじゃなくて、他の連中もあそこにたむろってる時間減ったから、次八つ当たりしたいときは他当たれって言っとけって書いてある」
「……余計なお世話だ」
 心底嫌そうに呟いた櫂に、三和はその続きを読もうかどうしようか迷う。
(飲みたいときはつきあってもいいとか書いてあるけど……その前に未成年だろ、お前も櫂も)
 内心ツッコミつつ、とりあえず今は保留にすることにする。
「追伸、モーションフィギュアシステムは残ってるからいつでもどうぞ……いらねーよ、何の気遣いだ」
「………」
「お前もちょっと気になるみたいな顔してんじゃねーよ」
「そんな顔したか?」
「したよ。やめろ。明らかに対俺用だろ」
「ああ」
「即答かよ!?」

 ジュンが憧れた二人の日常会話は、だいたいそんな調子だった。


+++

なんかものすごい楽しかったです。
私ジュン様本気で大好きかもしれないvvvvvv
まぁ七割方捏造妄想ですけども\(^o^)/

ちなみにこの話でジュンが言ってる「表のルール」の具体例は校則。髪染めるなとか、スカート丈がどうとか。従えば権力者に守られる、刃向かえば抑えつけられる、そういうタイプの。ルール決めた連中に都合のいいだけのルール(都合のいいように使われてるルール)も蔓延してるのでピンと来ないかもしれないんですが、本来ルールとはそういうものだと思います。
しかし気づけばルール無用という名のルール、実力という名の権力で子分たちを守っていたジュン様なのでした。ジュン様マジキング。

さらに五・六年後に本当に飲み友達になってる櫂とジュンイメージしてみた。

「銀銅がまたバイト先クビになっちゃってさ……確かに短気は直ってないけど、根は真面目な奴なんだけどなぁ……」
「そいつの人生はそいつの人生だとか言ってたのはお前じゃなかったか?」
「そうだけどー」
「あまり悩むとハゲるぞ」
「ハゲるって言わないでよ!気にしてるんだから!」
(気にしてたのか)
「あー、やっぱ僕が会社作ってあいつらまとめて雇っちゃおうかなぁ……」
「ああ、いいんじゃないか」
「そしたら三和くんもヘッドハントしようかな」
「ムカつくからやめろ」
「えー?彼は君のモノじゃないでしょー?」
「俺のじゃないがお前に使わせるのも気に入らん」
(それ俺のって言ってると思うけど)「相変わらず熱いね。君のほうは最近どうなの?」
「公式試合でアイチに負けた」
「そりゃ良かったね」
「黙れ」


アイチくんに負けた試合、三和くんに「いいファイトだったな!」とか言われたら「ああ」って言って櫂くんは笑います。ジュン様が嫌味で「良かったね」って言ったから「黙れ」(笑)

櫂くんの口癖:うるさい、黙れ、くだらん。
BLだと「俺の」が増えます(笑)
なにげにジュン様はヴァンガキャラで一番大物になる可能性を秘めているんじゃないだろうか。
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