リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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アイチくんに素直になれない櫂くんを見守りながら黒い感情も抱えてる三和くんの独白。アニメの7・8話あたりがメイン。
一方通行ですが三和櫂です。三和くんの誕生日と血液型を知った結果、攻め三和にも開眼しました\(^o^)/星座・血液型占いの性格診断って偉大だな…。
レンと喧嘩しただけで人間関係限りなく詰みに近い状態に陥ってアイチくんいなかったら完全に詰んでて三和くんがいなくてもやっぱり詰んでた深く狭いにもほどがある愛で綱渡りしながら着実に親友増やす櫂くんがいとおしいです。

 櫂の事情が、気になってなかったわけじゃない。カムイ達が――いや、アイチ達が櫂を尾行するのに付き合ったのは、別にそのせいだけじゃないけれど。
「お前まで……」
 あの言葉に覚えたのが、後悔よりもちょっとした優越感なのだから、俺は結構危ないのかもしれない。
 櫂の中で、俺は別枠。
 その理由をほんの少し裏切ったのに、それを確かめて嬉しかった、なんて。
 
 THE CLOSEST END
 
 近寄りがたい雰囲気を醸し出す櫂は、学校でも――というか、学校でのほうが浮いていた。
 普通科の高校の生徒なんて、探さなければ共通点は無いも同然。ファイト目当てで人が集うカードショップなんかより、百倍櫂が他人と関わる理由が無い。
 だから暇を見ては櫂を構いに行く。追い払われたことは無いのだから、自慢してもいいだろう。
 コツは簡単、踏み込まないこと、相槌ひとつで満足すること。宿題やったかどうかとか、授業どこまで進んだとか、そういうなんでもない話題。「ああ」とか「へぇ」しか言わなくても、櫂は聞き流してるわけじゃない。だから結構、普通の会話もできるんだぜ?
 
 だけどたまに、この話題だけはちょっと踏み込む。
 
「久々にカードキャピタル行かねーか?アイチの奴、お前が来るのずっと待ってるみたいだぜ」
 アイチの名前を出したら、櫂は無言でこちらを睨む。
「………」
 そんな顔したって無駄だぜ?最初アイチとファイトした次の日、俺が誘わなくてもカードキャピタルに行こうとしていたくせに。
 アイチが同級生と仲良くした程度で、暫く機嫌悪かったくせに。
「……俺が知るか、そんなこと」
 またまた意地張っちゃって。なんてセリフは今は言わない。
 逃げ道を塞いではいけないのだ。アイチが待ってる、それだけ伝えれば今は十分。
 
 アイチ達と櫂を尾行したのはその数日後。
 櫂に過去を尋ねて拒否されて、ファイトを挑んで拒否されて、それでもアイチは引き下がらない。
「櫂くんの言う通り、今の僕は戦う価値の無い相手かもしれない。けど、僕強くなるよ。だから、いつかきっと!」
「……勝手にしろ」
 あ、こいつ折れた。やるなぁアイチ。なんて思ったのは秘密。
 それを眺めていた店員のねーちゃんが一言。
「素直じゃない奴」
「ほんとにねー」
 櫂とほとんど接していないねーちゃんにだって分かるのだ。櫂がアイチを、嫌いじゃないなんてことぐらい。
 
 そしてさらに数日後、ショップ大会に申し込むと言う櫂と一緒に、カードキャピタルを訪れた。大会日程しっかりチェックしてるんだよな、ほとんどあの店行ってなかったはずなのに。
「まだ出会ってない奴がいるかもしれない。戦う価値のある奴が」
 申し込み用紙一枚出すのにそんなことわざわざ断るなんて、他に目当てがありますって宣言してるようなもんだぜ?
「よぉっし、これで枠はあと一つだ!さぁ、誰かいないか?早いもの勝ちだよ!」
「……っ申し込みます!」
 触発されてアイチが申し込み用紙記入するの、ガン見しちゃって、まぁ。
 最後の一枠を賭けたアイチと岸田とやらのファイト、結局最後まで見届けて。
「ショップ大会、櫂くんと戦えるかもしれないね」
「アルフレッドの使い方、あんなのはできて当然だ」
「え……」
 ああつまり、最低ラインはクリアしたってことね。ひねくれてんなあ、ほんと。
「お前はまだまだ俺にとって、戦う価値のある奴じゃない」
 だから早く追いついてこいってさ。
「気にすんな。あいつは、ああいう奴だから」
 
 * * *
 
 なあアイチ、櫂のこと諦めないでやってくれよ。ほんとに。
 何があったか知らないけど、素直になれないだけだから。ほんとはあいつ、お前のこと大好きだからさ。
 ちょっと心の開き方、忘れちまってるだけなんだ。
 カードでなら話せるくせに、お前と話すのが怖いんだ。一回こじ開けられちまったからな。
 だけどお前が、本当に櫂に追いついたら、観念して相手してくれるぜ?あいつ。ヴァンガードだけは裏切れない、変なところでクソ真面目な奴だからさ。
 あれでも結構、頑張ってる方なんだ。
 
 櫂の唯一の希望なんだ、諦めないでやってくれよ。
 
 そうでないと俺は――
 
 * * *

「よーっす櫂、元気ー?」
「…………三和、近い」
 高校の放課後、帰ろうとする櫂に後ろからノリで抱きついて、暫く離れないでいたらそんなことを言われた。
「んー……」
 目の前の色白な首筋舐めちゃったりとか、胸元から覗いてるより下の肌まで暴いたりとか、あまつさえそれ以上とか、そんなことしたら、お前はどんな顔するんだろう。
「いい加減にしろ」
「はいはい」
 窘(たしな)めるような声だった。なんか変なこと考えてたのバレたかな?まあ、どっちでもいいけど。
 
 * * *
 
 ――そうでないと俺は、櫂のこと誰にも渡せなくなる。
 櫂の心に空いた穴、俺の欲望で無理やり塞いで、どろどろの愛を囁いて。
 がんじがらめに、縛りつけて離さない。
 
 そいつは多分、バッドエンドなんだろう?


 fin.




今のままで三和櫂やってしまうと閉塞感が半端ないので、むしろ櫂くんが完全復活してからが三和櫂のターンな気がします(笑)
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