リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
50話後墓参りイメージ。
櫂くんの両親が亡くなってたと知って以来、櫂くんの言動の全てがそこにつながってる気がしてならない…泣くorz
櫂くんの両親が亡くなってたと知って以来、櫂くんの言動の全てがそこにつながってる気がしてならない…泣くorz
父さんと母さんはどこに行ったの。
俺がそう聞くと、おじは天国だよと答えた。空からいつも見守っているから、安心していいんだよと。
色あせた世界の中で、見上げた空だけが青かった。
昼寝するなら外がいい。
透き通る青の向こうに、優しかった二人を探して目を閉じる。
Heavenly Sky Blue
櫂がアイチにファイトを挑んで、PSYクオリアに頼らないようアイチを説得した日のこと。
三和はいつもの場所で櫂と別れたのだが、櫂の背中がなんとなく寂しそうに見えて、思わずその後をつけていた。
櫂を尾行するのはこれで三度目だ。最初は見つかって追い返されて、自宅は分からずじまい。次は成功して裏ファイトに首を突っ込んでいるのを発見したけれど、今日はどうだろう。
そんなことを思っていると、櫂が立ち止まる。
「――おい」
呼びかけた櫂の視界に、人影は見当たらない。
(……俺?)
どうやらバレたらしいと冷や汗を流す三和に、振り向かないままで櫂が言った。
「気になるなら、ついてきてもいいぞ」
背中に目でもついているのだろうか。しかし意外にも、今日はお咎め無しらしい。
「……おう」
三和はその歩調を速めて、櫂の隣に並んだ。
内心は少しそわそわとしていて、暫く無言で様子をうかがいながら櫂についていく。
家に帰るのかと思っていたのだが、一応知っている途中までの道とは方向が違うようで、三和は櫂のほうを見やる。
「……どこ行くんだ?」
「墓参り」
簡潔な返事に、三和は何を言っていいか分からなくなる。
とりあえず、進行方向に向き直った。
「……そっか」
櫂の両親が亡くなったことを三和が知ったのは、櫂が学校を休んだ理由をクラス担任が説明したときだった。淡々とした教師の説明は、それでも幼い男子達まではしゃげなくするくらいには、その別れを哀しんでいたけれど。三和には何が起きてそうなったのか、まだよく分からなかった。
けれど次に櫂に会ったとき、いつも自信たっぷりだった櫂が俯いているのを見て、声をかけられなくなったのを覚えている。
それで初めて、何かとてつもなく大きなものが無くなったんだと、そう実感した。
そしてそのまま、櫂は三和のいる学校から去ってしまった。
* * *
町外れの墓地に、櫂の両親は眠っていた。
綺麗なそのお墓には控えめに花も供えられていて、誰かが定期的に手入れしているんだろうと知れる。
さすがに線香や火は持ち合わせていないので、水だけ入れ替えて二人で手を合わせた。
墓石の前に並んでしゃがんだまま、隣の櫂に問いかける。
「……いつも、一人で来るのか?」
「いや、初めて来た」
どっちの初めてだか分からずに、三和は聞き返す。
「初めて?」
「ああ」
しかしそのニュアンスには気づいたのか気づかなかったのか、櫂は答えてくれなかった。
(今まで一度も来たことない、って意味じゃねーよなぁ……?全然迷ったりしてなかったし……)
気にはなっても、櫂の雰囲気が素直だからこそ、それ以上聞き返すことはできそうになかった。
ただなんとなく、自分から来たのは初めてなのかもしれないと思う。
櫂の気持ちは、分かるようで分からない――後一歩が、いつも追いつけない。
悲しいも寂しいもあるはずなのに、櫂は誰にもそうと言わない。
「お前ってさ、泣くこととかあんの?」
思わず口をついた明け透けな質問に、櫂は静かに答えてくれた。
「泣いたら父さんは怒って、母さんは心配する気がする」
「……櫂」
――ああ、やっぱり。
櫂にも、泣きたいような気持ちになることはあるのだ。
頑張ってる、だけで。
「……そうかな?」
櫂が泣いても、怒ったりしないと思うけれど。
心配かけたって、許してくれると思うけれど。
「……気がするだけ、なんだろうな」
そんな風に、櫂は続けた。
「……?」
「……いいんだ、まだ泣かない」
それで締めくくって、櫂は立ち上がった。
「帰るぞ」
「うん」
頷いて立ち上がる。後姿のまま、ついてくるのが当然のように呼びかけられるのは、不思議と嫌じゃない。
今日もやっぱり、追いつけなかった。
後一歩の距離。
つかず離れずのその距離は、抱(いだ)き続ける憧れに似ていた。
* * *
レンと出会って、レンが変わって、レンから逃げて、初めて心底強くなりたいと思った。
アイチと再会して、アイチに負けて、アイチを壊しかけて、初めて疲れていたことと癒されていたことに気づいた。
父さんと母さんが逝ってから、暫くはずっとふさぎ込んで、投げやりに生きていた。
レンに会ったときは、元気を出せと父さんが言ってくれた気がする。
アイチに会ったときは、少し休んだらと母さんが言ってくれた気がする。
そのどちらでも、「楽しい」は「一緒にいる」という意味だった。
アイチの青い髪は、二人がいる空に似てる。
俺は多分、まだ父さんと母さんを諦められていないだけ。
もう少し一緒にいたいんだ。
そんなのもきっと、二人は許してくれるから。
だからまだ、哀しくないんだ。
fin.
+++
泣くこともできないくらい、大きすぎる喪失もある、ってことなのかなーとか。
レンと、アイチと、これだとそれっぽくないけど三和は、櫂の両親の愛そのものなのかもなーとか。
レンは強さ、アイチは勇気、三和は優しさを教えてくれる友達。
櫂は情熱と憧れをあげる人。この世の全てのものを焼き尽くす黙示録の炎が俺の本当の姿とか、ここまで来たらそうだねと頷くしかないわ…。かげろうを生み出す永遠の炎。
広告さげ(笑)
俺がそう聞くと、おじは天国だよと答えた。空からいつも見守っているから、安心していいんだよと。
色あせた世界の中で、見上げた空だけが青かった。
昼寝するなら外がいい。
透き通る青の向こうに、優しかった二人を探して目を閉じる。
Heavenly Sky Blue
櫂がアイチにファイトを挑んで、PSYクオリアに頼らないようアイチを説得した日のこと。
三和はいつもの場所で櫂と別れたのだが、櫂の背中がなんとなく寂しそうに見えて、思わずその後をつけていた。
櫂を尾行するのはこれで三度目だ。最初は見つかって追い返されて、自宅は分からずじまい。次は成功して裏ファイトに首を突っ込んでいるのを発見したけれど、今日はどうだろう。
そんなことを思っていると、櫂が立ち止まる。
「――おい」
呼びかけた櫂の視界に、人影は見当たらない。
(……俺?)
どうやらバレたらしいと冷や汗を流す三和に、振り向かないままで櫂が言った。
「気になるなら、ついてきてもいいぞ」
背中に目でもついているのだろうか。しかし意外にも、今日はお咎め無しらしい。
「……おう」
三和はその歩調を速めて、櫂の隣に並んだ。
内心は少しそわそわとしていて、暫く無言で様子をうかがいながら櫂についていく。
家に帰るのかと思っていたのだが、一応知っている途中までの道とは方向が違うようで、三和は櫂のほうを見やる。
「……どこ行くんだ?」
「墓参り」
簡潔な返事に、三和は何を言っていいか分からなくなる。
とりあえず、進行方向に向き直った。
「……そっか」
櫂の両親が亡くなったことを三和が知ったのは、櫂が学校を休んだ理由をクラス担任が説明したときだった。淡々とした教師の説明は、それでも幼い男子達まではしゃげなくするくらいには、その別れを哀しんでいたけれど。三和には何が起きてそうなったのか、まだよく分からなかった。
けれど次に櫂に会ったとき、いつも自信たっぷりだった櫂が俯いているのを見て、声をかけられなくなったのを覚えている。
それで初めて、何かとてつもなく大きなものが無くなったんだと、そう実感した。
そしてそのまま、櫂は三和のいる学校から去ってしまった。
* * *
町外れの墓地に、櫂の両親は眠っていた。
綺麗なそのお墓には控えめに花も供えられていて、誰かが定期的に手入れしているんだろうと知れる。
さすがに線香や火は持ち合わせていないので、水だけ入れ替えて二人で手を合わせた。
墓石の前に並んでしゃがんだまま、隣の櫂に問いかける。
「……いつも、一人で来るのか?」
「いや、初めて来た」
どっちの初めてだか分からずに、三和は聞き返す。
「初めて?」
「ああ」
しかしそのニュアンスには気づいたのか気づかなかったのか、櫂は答えてくれなかった。
(今まで一度も来たことない、って意味じゃねーよなぁ……?全然迷ったりしてなかったし……)
気にはなっても、櫂の雰囲気が素直だからこそ、それ以上聞き返すことはできそうになかった。
ただなんとなく、自分から来たのは初めてなのかもしれないと思う。
櫂の気持ちは、分かるようで分からない――後一歩が、いつも追いつけない。
悲しいも寂しいもあるはずなのに、櫂は誰にもそうと言わない。
「お前ってさ、泣くこととかあんの?」
思わず口をついた明け透けな質問に、櫂は静かに答えてくれた。
「泣いたら父さんは怒って、母さんは心配する気がする」
「……櫂」
――ああ、やっぱり。
櫂にも、泣きたいような気持ちになることはあるのだ。
頑張ってる、だけで。
「……そうかな?」
櫂が泣いても、怒ったりしないと思うけれど。
心配かけたって、許してくれると思うけれど。
「……気がするだけ、なんだろうな」
そんな風に、櫂は続けた。
「……?」
「……いいんだ、まだ泣かない」
それで締めくくって、櫂は立ち上がった。
「帰るぞ」
「うん」
頷いて立ち上がる。後姿のまま、ついてくるのが当然のように呼びかけられるのは、不思議と嫌じゃない。
今日もやっぱり、追いつけなかった。
後一歩の距離。
つかず離れずのその距離は、抱(いだ)き続ける憧れに似ていた。
* * *
レンと出会って、レンが変わって、レンから逃げて、初めて心底強くなりたいと思った。
アイチと再会して、アイチに負けて、アイチを壊しかけて、初めて疲れていたことと癒されていたことに気づいた。
父さんと母さんが逝ってから、暫くはずっとふさぎ込んで、投げやりに生きていた。
レンに会ったときは、元気を出せと父さんが言ってくれた気がする。
アイチに会ったときは、少し休んだらと母さんが言ってくれた気がする。
そのどちらでも、「楽しい」は「一緒にいる」という意味だった。
アイチの青い髪は、二人がいる空に似てる。
俺は多分、まだ父さんと母さんを諦められていないだけ。
もう少し一緒にいたいんだ。
そんなのもきっと、二人は許してくれるから。
だからまだ、哀しくないんだ。
fin.
+++
泣くこともできないくらい、大きすぎる喪失もある、ってことなのかなーとか。
レンと、アイチと、これだとそれっぽくないけど三和は、櫂の両親の愛そのものなのかもなーとか。
レンは強さ、アイチは勇気、三和は優しさを教えてくれる友達。
櫂は情熱と憧れをあげる人。この世の全てのものを焼き尽くす黙示録の炎が俺の本当の姿とか、ここまで来たらそうだねと頷くしかないわ…。かげろうを生み出す永遠の炎。
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