ルージュの素顔（レンアサ）

アサカさん誕生日おめでとう！
せっかくなのでずっと思ってたレンアサ像を短いけど形にしてみたよ！

　レンの手が、アサカの頬に触れた。
「このお化粧……」
　そう呟いて、レンは複雑な表情でアサカを見つめる。
「……レン様？」
　アサカがメイクをするようになったのは、AL4の一人として表舞台に立つようになった時からだった。
　レンにふさわしい自分でいたかった。フーファイター総帥・雀ヶ森レンの品格を損なわないように、レンの隣で胸を張っていられるように。
　けれどそれは――レンの望むものでは、なかったのだろうか。
「……お嫌い、でしたか？」
　きつめのルージュとは裏腹に、不安そうな瞳でそう尋ねたアサカに、レンはそっと微笑んだ。
「……いいえ」
　そう答えて、アサカの無防備な額に口づける。
　キョウに負けた時、気丈にも涙をこらえて睨みつけるアサカに、強く気高い鳴海アサカに憧れていた。
　それは今も変わらない。あの日のイメージを現実にしてみせた彼女に、憧れ続けている。
　けれど同時に――その気高さが隠している無垢な少女を、守りたいと強く思う。
「綺麗な君も、かわいい君も、どちらも好きですよ」

　だから僕には、可憐な素顔も見せてください。


　fin.


昭和のファッションセンスで垢抜けないかわいいアサカちゃんを自分好みのアサカ様に仕立てた挙句捨てかけて捨てきれなかったレン様が罪深すぎて震える。

追記：
そういえば65話のレン様はアサカにタメ口なんですけど、あれ彼氏から旦那になった瞬間ですよね（真顔）