リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
櫂くんが本編中最も熱烈(正しくは苛烈)な視線で見つめた女性とデートしてほしかった。
まだデート始まってません。しかし既に私の脳内では二人が不自然なほど自然にいちゃいちゃしてるんですが、これ書いただけで満足しちゃってる感が否めない。ちゃんと続きたいけども!
なにげにロミジュリな櫂くんとスイコさん、ちょっと本気でプッシュしたい…(笑)
まだデート始まってません。しかし既に私の脳内では二人が不自然なほど自然にいちゃいちゃしてるんですが、これ書いただけで満足しちゃってる感が否めない。ちゃんと続きたいけども!
なにげにロミジュリな櫂くんとスイコさん、ちょっと本気でプッシュしたい…(笑)
1.エンカウント
ヴァンガードチャンピオンシップ全国大会が終了して、二週間が過ぎた。見事優勝を収めたカードキャピタル代表のチームQ4も、今は一旦解散してそれぞれの生活を歩んでいる。決勝に参加しなかったとはいえその一員である櫂も例外ではなく、また以前のように気ままにカードショップを巡りながら、ヴァンガードの腕を磨くことに精を出していた。
ずっと心に引っかかっていた、変わってしまったレンから逃げたことへの後悔も、アイチの人格を歪めかけてしまったことへの罪悪感も清算された今、心はひどく軽かった。何より自分の中で決着がついただけではなく、途切れてしまったレンとの絆さえ、アイチが結び直してくれたから。
穏やかすぎるくらいの日常を過ごしていた櫂が眉間に皺を寄せたのは、信号待ちの交差点で声をかけてきた少女の正体を理解したときだった。
「こんにちは」
「……何の用だ」
いつかと同じ異国風のチュニックを身に纏い、今はおざなりなサングラスをかけた水色の髪の少女――スイコは、つっけんどんな櫂の応答にくすくすと笑う。
「ご挨拶ね。知った顔がいたから声をかけるくらい、普通のことでしょう?」
どこか優雅な雰囲気を崩さないスイコは、櫂の反応を楽しんでいるようにも見える。
「穏便に挨拶できるほど普通の知り合いだった覚えは無いんだがな」
櫂はふいと顔を背けた。櫂の身を包むジャケットの黒が、拒絶の気配で心なしかさらに深くなる。
櫂が険悪な態度を崩さないのは、レンとアイチが変わってしまったきっかけ、PSYクオリアを彼らに与えた存在と、スイコが深く関わっているらしいからだ。
“……何故だ”
“私達には、彼の力が必要なの”
“その力がレンを変えてしまったとしてもか!”
“力の結果が、善か悪かを私達は問わない。力のある者にしかできないことがあるのよ”
そう言った彼女の選択と、その力に感謝するというレンの選択と。自らの無力に打ちのめされるしかなかった決勝前夜は、まだ記憶に新しい。
力は結局きっかけに過ぎない。それを知っている今、PSYクオリア自体についてどうこう言うつもりは無いけれど、自分達の目的のために他者の人格に干渉することさえ厭わない彼女のやり方が、櫂は気に入らなかった。
「あれはお仕事だもの。私だって二十四時間あなたの敵でいるつもりはないわ」
「生憎だが二十四時間俺は俺だ。暇が潰したいなら他を当たれ」
「つれないわね」
しゃあしゃあと言ってのけるスイコの神経に、櫂の苛立ちは募るばかりだ。
「何度も言わせるな、俺はお前が嫌いなんだ」
「初めて聞いたけど」
「穏便に言っても通じないようだからな」
ちぐはぐな櫂の論理に、スイコはまたおかしそうに笑った。
「ほんと、面白い子ね」
そのセリフに、とうとう櫂はスイコを無視して歩き出した。信号はとうに青になっていた。けれどスイコは、めげることなくその隣に歩調を合わせる。
「どこへ行くの?」
「答える義理は無い」
「じゃあついてっちゃおうかしら」
「やめろ、鬱陶しい」
進行方向を向いたまま全く視線を合わせることなく、櫂は声だけでスイコをあしらう。意地でも自分のペースを崩すまいとする意志表示――と言うより、意志そのもののような櫂の無骨さが、スイコは嫌いではなかった。
横断歩道を渡り終えたところで、スイコはその腕に抱きつくようにして櫂を引き寄せると、そのまま歩き出してしまう。
「――っ、離せ!」
乱暴に振りほどくのは気が咎めるのか、引きずられるように一歩後ろを歩きながら抗議する櫂に、スイコはにこにことしたままで答える。
「いいじゃない、たまにはカードファイトに関係のないことしたって。楽しいかもしれないわよ?」
「人が四六時中カードしかしてないとでも思ってるのか」
「あら、違うの?」
今度こそ櫂はスイコの腕を振り払った。あら残念、という程度のリアクションしかしないスイコに、遊ばれるのは不愉快だと言わんばかりの顔を向ける。
温度差をものともしない真剣な目で、櫂が言った。
「何がしたいんだ」
街の喧騒さえ遠ざけるような一言。
挑むような櫂の視線は、純粋すぎるほどの怒りを露わにした、あの夜と同じ鋭さでスイコを貫く。
その視線を受け止めて、瞬間的に表情をなくしたスイコが、薄く透き通るサングラスにそっと手をかける。
瞳を覆うその装飾を外しながら、スイコは静かに答えた。
「……あなたに興味があるの。今日一日、つきあってくれない?」
からかうようなそれまでの笑顔とは印象の違う、ひどく儚げな微笑を浮かべて、スイコは櫂を見つめる。
告白とも呼べない、場違いなほどありふれた逢瀬の誘い。
それは、どちらが負けた瞬間だったのか。
「……好きにしろ」
無愛想な了承の言葉に、スイコは穏やかな微笑みで言った。
「ありがとう」
+++ NEXT 2.ゲット・アロング +++
ミサキ「なんでOKしたの?」
櫂「暇だったから」
ミサキ「………」
櫂くん見てると「浮気は男の甲斐性」って言葉の意味を納得しそうになるから困る。
実験的に服装とか描写して小説らしいものを書こうとしてめんどくさくなって中途半端になることがたまにあるんですが(それ以外はそもそも描写しようとすらしない)、これもそんな気配が濃厚であります。いやぁ…私視覚的な観察とかほとんどしないからさ…。
スイコさんの服装チュニックって書いたけど、あれチュニックでいいんだろうか。ファッションには間違いなく疎いです。
ヴァンガードチャンピオンシップ全国大会が終了して、二週間が過ぎた。見事優勝を収めたカードキャピタル代表のチームQ4も、今は一旦解散してそれぞれの生活を歩んでいる。決勝に参加しなかったとはいえその一員である櫂も例外ではなく、また以前のように気ままにカードショップを巡りながら、ヴァンガードの腕を磨くことに精を出していた。
ずっと心に引っかかっていた、変わってしまったレンから逃げたことへの後悔も、アイチの人格を歪めかけてしまったことへの罪悪感も清算された今、心はひどく軽かった。何より自分の中で決着がついただけではなく、途切れてしまったレンとの絆さえ、アイチが結び直してくれたから。
穏やかすぎるくらいの日常を過ごしていた櫂が眉間に皺を寄せたのは、信号待ちの交差点で声をかけてきた少女の正体を理解したときだった。
「こんにちは」
「……何の用だ」
いつかと同じ異国風のチュニックを身に纏い、今はおざなりなサングラスをかけた水色の髪の少女――スイコは、つっけんどんな櫂の応答にくすくすと笑う。
「ご挨拶ね。知った顔がいたから声をかけるくらい、普通のことでしょう?」
どこか優雅な雰囲気を崩さないスイコは、櫂の反応を楽しんでいるようにも見える。
「穏便に挨拶できるほど普通の知り合いだった覚えは無いんだがな」
櫂はふいと顔を背けた。櫂の身を包むジャケットの黒が、拒絶の気配で心なしかさらに深くなる。
櫂が険悪な態度を崩さないのは、レンとアイチが変わってしまったきっかけ、PSYクオリアを彼らに与えた存在と、スイコが深く関わっているらしいからだ。
“……何故だ”
“私達には、彼の力が必要なの”
“その力がレンを変えてしまったとしてもか!”
“力の結果が、善か悪かを私達は問わない。力のある者にしかできないことがあるのよ”
そう言った彼女の選択と、その力に感謝するというレンの選択と。自らの無力に打ちのめされるしかなかった決勝前夜は、まだ記憶に新しい。
力は結局きっかけに過ぎない。それを知っている今、PSYクオリア自体についてどうこう言うつもりは無いけれど、自分達の目的のために他者の人格に干渉することさえ厭わない彼女のやり方が、櫂は気に入らなかった。
「あれはお仕事だもの。私だって二十四時間あなたの敵でいるつもりはないわ」
「生憎だが二十四時間俺は俺だ。暇が潰したいなら他を当たれ」
「つれないわね」
しゃあしゃあと言ってのけるスイコの神経に、櫂の苛立ちは募るばかりだ。
「何度も言わせるな、俺はお前が嫌いなんだ」
「初めて聞いたけど」
「穏便に言っても通じないようだからな」
ちぐはぐな櫂の論理に、スイコはまたおかしそうに笑った。
「ほんと、面白い子ね」
そのセリフに、とうとう櫂はスイコを無視して歩き出した。信号はとうに青になっていた。けれどスイコは、めげることなくその隣に歩調を合わせる。
「どこへ行くの?」
「答える義理は無い」
「じゃあついてっちゃおうかしら」
「やめろ、鬱陶しい」
進行方向を向いたまま全く視線を合わせることなく、櫂は声だけでスイコをあしらう。意地でも自分のペースを崩すまいとする意志表示――と言うより、意志そのもののような櫂の無骨さが、スイコは嫌いではなかった。
横断歩道を渡り終えたところで、スイコはその腕に抱きつくようにして櫂を引き寄せると、そのまま歩き出してしまう。
「――っ、離せ!」
乱暴に振りほどくのは気が咎めるのか、引きずられるように一歩後ろを歩きながら抗議する櫂に、スイコはにこにことしたままで答える。
「いいじゃない、たまにはカードファイトに関係のないことしたって。楽しいかもしれないわよ?」
「人が四六時中カードしかしてないとでも思ってるのか」
「あら、違うの?」
今度こそ櫂はスイコの腕を振り払った。あら残念、という程度のリアクションしかしないスイコに、遊ばれるのは不愉快だと言わんばかりの顔を向ける。
温度差をものともしない真剣な目で、櫂が言った。
「何がしたいんだ」
街の喧騒さえ遠ざけるような一言。
挑むような櫂の視線は、純粋すぎるほどの怒りを露わにした、あの夜と同じ鋭さでスイコを貫く。
その視線を受け止めて、瞬間的に表情をなくしたスイコが、薄く透き通るサングラスにそっと手をかける。
瞳を覆うその装飾を外しながら、スイコは静かに答えた。
「……あなたに興味があるの。今日一日、つきあってくれない?」
からかうようなそれまでの笑顔とは印象の違う、ひどく儚げな微笑を浮かべて、スイコは櫂を見つめる。
告白とも呼べない、場違いなほどありふれた逢瀬の誘い。
それは、どちらが負けた瞬間だったのか。
「……好きにしろ」
無愛想な了承の言葉に、スイコは穏やかな微笑みで言った。
「ありがとう」
+++ NEXT 2.ゲット・アロング +++
ミサキ「なんでOKしたの?」
櫂「暇だったから」
ミサキ「………」
櫂くん見てると「浮気は男の甲斐性」って言葉の意味を納得しそうになるから困る。
実験的に服装とか描写して小説らしいものを書こうとしてめんどくさくなって中途半端になることがたまにあるんですが(それ以外はそもそも描写しようとすらしない)、これもそんな気配が濃厚であります。いやぁ…私視覚的な観察とかほとんどしないからさ…。
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pixivからこのサイトにはリンク等を貼っていません。あんな大手SNSからこんなコアなサイトに直接飛べるようにする勇気無いです\(^o^)/
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