リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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デートはまだまだ始まりません。が…真面目で負けず嫌いで絆されやすい櫂くんを書くのがとても楽しいです(爆)
今の櫂くんが女の子の相手したら泣かせちゃうよ!とか思ってたんですが、スイコさんはそんな櫂くんに怯まない強い女性でした(笑)
そうだよ…だってあの櫂くんに全力で睨まれて言い返して逆に泣かした人だもの…(※スイコさんが泣かしたわけではありません)だからちょっとデートさせてみたいって思ったんだもの…。

2.ゲット・アロング

 ポケットに手を突っ込んだまま、櫂はスイコと街の通りを歩く。服装からしてふわりとした印象のスイコと、ガードの堅そうな黒ジャケットで仏頂面をしている櫂では、対照的すぎて傍(はた)から見ればなかなかに奇妙な取り合わせだったが、当人達は全く気にしていなかった。
「それで、どこへ行くんだ」
「そうねぇ、どこへ行こうかしら」
 のんびりとした調子でそう答えるスイコに、櫂は至って低いテンションを維持したままで返す。
「何も考えてなかったのか?」
「どうやったらあなたが一緒に来てくれるかとかは考えたわよ?」
「そういうのをノープランと言うんだろう……」
「それじゃ、あなたには何かいい考えはあるかしら」
「………」
 やんわりと切り返されて、櫂はしばし黙り込んだ。これは考えなしに櫂を誘ったスイコに呆れているとか、そういうわけでは決してない。
(……売り言葉に買い言葉で墓穴を掘ったな)
 ついさっき、カードファイト以外も楽しいかもしれないと言ったスイコに、櫂はそんなことは知っているという趣旨の返答をしてしまった。嘘のつもりは一応無いのだが、そこでイメージしていたのは自分でも少々距離を感じてしまっている昔の記憶や学校生活が主であり、およそこのシチュエーションに応用できるものではない。元々行くつもりだった目的地も普通にカードショップだった。
 要するに単なる負けず嫌いから出た屁理屈だったわけだが、そうと白状できるくらいならそもそもそんな発言はしていない。
(とは言え……)
 その程度のことは向こうも読んでいるだろう。あのからかい方は、こちらの性格を相当把握していなければ出てこない。彼女が期待しているのが、こなれたエスコートなどではないことは確かだ。
 ならば経験の無さなど気にする必要は無い。要は二人でどこかへ行けばいいのだ。
「そんなものは無い」
 堂々と言い切った櫂に、スイコが吹き出した。
「随分長かったわね」
「うるさい」
 さっきまでと違って、その笑い方を不快には感じなかった。一歩引いたところから試すような調子は鳴りを潜めて、彼女の本心が聞こえた気がした。それが妙にむず痒くて、相変わらず言葉はつっけんどんになってしまったけれど。
 スイコと同じくノープランを宣言して時間を稼いだはいいが、さてどうしたものか。櫂が考えを巡らせていると、ふと見知った顔が目に止まった。片手に提げた買い物袋を見るに、親にお遣いでも頼まれているのだろう。
 迷ったのは一瞬だった。足早に近寄る。
「三和」
「おー、櫂よっす!何してんだ……って、え?」
 櫂に気づいて手を振った三和が、少し遅れて歩いてきたスイコに気づいて明らかに動揺する。おかまいなしに櫂は言った。
「適当にお前が普段行く場所を教えろ」
「……え!?ってゆーか何!?お前らそういう関係!?」
 女連れも相手がアイドルなのも不意打ちで、しかしコーリンの前例もあるしひょっとしてまた揉めたのかという心配――というか期待というか――を概ね裏切る櫂の質問に、反射的に状況説明を求めた三和だったが。
「いいから教えろ」
 胸ぐらをつかんで引き寄せられ、完全に据わった目で脅迫されてしまい、慌てふためいたまま早口で答えた。
「カード屋とCD屋とカラオケとボーリング!!」
「分かった」
 その一言で三和を解放すると、櫂は傍観者状態だったスイコに声をかける。
「行くぞ」
「ええ」
 答えたスイコは、じゃあねと三和に笑顔で手を振って、さっさと歩き出した櫂の後についていった。
 取り残された三和は、ただ呆然と呟くしかなかった。
「……なんだったんだ、今の……」


+++ BACK / NEXT 3.プレイ・トゥギャザー +++

三和「なんだったんだ、マジでなんだったんだ」
櫂「……知るか」

前回あとがきで三和くん登場させたのがちょっと都合悪くなったのでミサキさんに変更しました(爆)
いや実は三和くんを本編に登場させる気はまったくなかったのですが、櫂くんのアレが単なる意地っ張りだったということに気づいたのがこれ書き始めてからだったので(笑)
男子高校生が普段何してるのかさっぱり分からないんですけど三和くんの返答はこれでいいのだろうか…。
次はちゃんとデート…するのかなぁ?(笑)
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