リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
ショタ櫂がショタアイチを家出に誘う話…のつもりが普通にアジアサーキット編でした。櫂くんがお友達とじゃれてる話書くのはとても楽しいので、いつも通り暴走してます\(^o^)/
久々にかなり一気に殴り書きした…(笑)
久々にかなり一気に殴り書きした…(笑)
自分の部屋で宿題をしていたアイチは、こんこんと窓を叩く音に耳を疑った。それは普通に考えてドアを叩くリズムだったけれど、ここは二階で外はベランダすら無いというのに、誰がそんなところをノックするというのか。
アイチがおそるおそるカーテンを開けてみると――
「よっ!」
「櫂くん!?」
そこにいたのは、どこをどう登ってきたのかロープを片手にリュックサックを背負った一つ上の友達だった。
慌てて窓をあけると、土足はまずいと思ったのか靴を脱いで、櫂は窓枠に腰掛ける。
「なんでこんなところから!?」
「俺家出しようと思ってさ。アイチも来ねぇ?」
あっけらかんと言い放った櫂はほとんどいつも通りで、およそ家出というイメージからはかけ離れた明るさだった。いつもより少し高いくらいのそのテンションは、むしろ遠足か旅行にでも誘うような雰囲気だ。
「え?な、なんで急に?何か悩みでもあるの??お母さんと喧嘩したとか……」
「んー?別に喧嘩とかはしてねーけど。なんか俺が居るべき場所じゃないって気がするんだよなぁ」
「それってやっぱり悩みなんじゃ……」
自分の家をそんな風に感じるのはと、しどろもどろに答えるアイチに、けれど櫂はからりと笑う。
「ははっ、ひょっとしたらそうなのかもな。でもいいんだよ、だから探しに行こうと思って」
自分の居るべき場所を。
どうだ?と不敵に笑う櫂に、アイチは頷けなかった。
「で、でも……どうしたらいいか分からないし、エミも怒るだろうし、お母さんに聞いてみないと……」
「聞いたら家出になんねーだろ?」
ややむすっとした櫂の言い方に、アイチは目をうるうるとさせて、泣きそうになりながら俯く。
「……僕には、無理だよ……」
その様子にぎょっとした櫂が慌てる。
「わーっ、別に怒ってないから泣くなって!」
しょーがない奴だと頭を撫でられて、アイチは上目遣いに櫂を見つめた。
「まぁいいや。じゃあ、俺もう行くな。無理言ってごめんな、アイチ」
そう言って櫂は笑った――とアイチは思うのだけれど、微笑のような、苦笑のようなそれは、なんとも説明のつかない曖昧な表情だった。まだ目が潤んでいるアイチには、一瞬櫂まで泣いているように見えて。
「まっ、待って!」
アイチが呼び止めると、窓枠に足をかけたまま櫂がこちらを振り向く。
「ど、どこか行っちゃうなら、ときどきは手紙書いてね!そうしたら、僕――」
* * *
「――……」
むくりと、櫂がベッドから身を起こした。
「おはようございまふ。おほいお目覚めでふね」
「……口に歯ブラシつっこんだまま喋るな」
しゃこしゃこと歯を磨いているのは、櫂と同い年で元かつ現チームメイトのレンだ。チームNAL4としてVFサーキットソウルステージに出場する二人は、チームメイトのテツ、アサカと共に市内のホテルに泊まっている。
それもそうかと口をゆすいだレンが、隣で順番待ちをしていたらしい櫂に洗面台を譲る。
顔を洗う櫂を横から眺めながら、レンが言った。
「眉間にシワが寄っていますよ?」
タオルで顔を拭いた櫂は、確かに眉間にシワの寄ったままの表情で答えた。
「アイチを家出に誘う夢を見た……」
あいつも俺も小学生だった気がする。意味が分からん。そう唸る櫂に、レンは首を傾げる。
「……君、そんな積極的な人でしたっけ?」
暫くの間の後に、むに、と、櫂がレンの頬を軽くつねった。
「何するんですか!」
「なんとなくだ」
櫂は真顔のまま回答をはぐらかした。いやに的確なツッコミだと感じたとは言えなかった。手が出ている時点で、言い返せないと自白したようなものだったが。
そのあたりは本能で分かるのか、レンはそれ以上追求することなく話題を変える。
「ソウルステージ、チームQ4と当たるかもしれませんね。それまで彼らが勝ち抜けば、ですけど」
「当たろうと当たるまいと、勝ち進むだけだろう」
「櫂は当たってみたくないんですか?」
彼らも君の友達でしょうと暗に告げる言葉に、櫂はクールに答えた。
「強い奴と戦えればそれでいい」
しかしその言葉に、レンは意味深に笑った。
含みのある微笑みに釈然としないものを感じて、櫂はじとっとした目でレンを睨む。
「そんな怖い顔しないでください。頑張りましょうね、櫂」
「ああ」
* * *
強い奴と戦えればそれでいい、それは紛れもなく櫂の本心だ。
ただだからと言って、他の気持ちが両立しないわけではないことも、知ってはいる。
例えば――立ちはだかる強敵が、「先導アイチ」だったらいいなとか。
それくらいなら、認めろと言われれば認めてもいいのだが。
“そうしたら僕、きっと皆で会いに行くから”
もしも「アイチ」にそう言ってほしいかと聞かれたら、それに頷けと言われるのは格段にハードルが高くなる。
(……あの夢が本音だとか、頼むから言ってくれるな……)
それはちょっとかっこ悪いからと、そう思う時点で語るに落ちているのかも知れなかった。
彼が探しに行った居場所は、多分まだ見つからないまま――
fin.
+++
櫂くんって両親生きてても家出とかしそう、って思ってパラレルとして考えたはずが、どうもシンボリックな世界観にしかならなくて夢オチになりました。
自分に必要な物をアイチが持ってて、でもそれを持ってるからこそ、自分とアイチは一緒には行けない、みたいな風に櫂くん感じてる気がして。しかし夢ネタって便利すぎて困る…(笑)
櫂くんにとってカードキャピタルとQ4は、なんとなく家出して友達と夜遊び(※NAL4)したくなるくらいには家になってるんだなとこれ書いて思いました\(^o^)/
一期の三和くんポジをレンくんが持って行っていることに今気づいたなんて言えない。
櫂くんの天使の座は三和くんからレンくんにバトンタッチか…今なら三和くん闇落ちできるね!(なまじ2期が記憶改竄で1期リトライというかハードモードで2周目プレイなノリだからシャレにならなそうな件について)
「居場所」って書いたけど正確には「家」です。櫂くんやっぱりどう見てもヴァンガ唯一の根なし草。あとレンくんは今現在人間界に住んでない。天使。テツはどう見ても成人してる(…)
アイチがおそるおそるカーテンを開けてみると――
「よっ!」
「櫂くん!?」
そこにいたのは、どこをどう登ってきたのかロープを片手にリュックサックを背負った一つ上の友達だった。
慌てて窓をあけると、土足はまずいと思ったのか靴を脱いで、櫂は窓枠に腰掛ける。
「なんでこんなところから!?」
「俺家出しようと思ってさ。アイチも来ねぇ?」
あっけらかんと言い放った櫂はほとんどいつも通りで、およそ家出というイメージからはかけ離れた明るさだった。いつもより少し高いくらいのそのテンションは、むしろ遠足か旅行にでも誘うような雰囲気だ。
「え?な、なんで急に?何か悩みでもあるの??お母さんと喧嘩したとか……」
「んー?別に喧嘩とかはしてねーけど。なんか俺が居るべき場所じゃないって気がするんだよなぁ」
「それってやっぱり悩みなんじゃ……」
自分の家をそんな風に感じるのはと、しどろもどろに答えるアイチに、けれど櫂はからりと笑う。
「ははっ、ひょっとしたらそうなのかもな。でもいいんだよ、だから探しに行こうと思って」
自分の居るべき場所を。
どうだ?と不敵に笑う櫂に、アイチは頷けなかった。
「で、でも……どうしたらいいか分からないし、エミも怒るだろうし、お母さんに聞いてみないと……」
「聞いたら家出になんねーだろ?」
ややむすっとした櫂の言い方に、アイチは目をうるうるとさせて、泣きそうになりながら俯く。
「……僕には、無理だよ……」
その様子にぎょっとした櫂が慌てる。
「わーっ、別に怒ってないから泣くなって!」
しょーがない奴だと頭を撫でられて、アイチは上目遣いに櫂を見つめた。
「まぁいいや。じゃあ、俺もう行くな。無理言ってごめんな、アイチ」
そう言って櫂は笑った――とアイチは思うのだけれど、微笑のような、苦笑のようなそれは、なんとも説明のつかない曖昧な表情だった。まだ目が潤んでいるアイチには、一瞬櫂まで泣いているように見えて。
「まっ、待って!」
アイチが呼び止めると、窓枠に足をかけたまま櫂がこちらを振り向く。
「ど、どこか行っちゃうなら、ときどきは手紙書いてね!そうしたら、僕――」
* * *
「――……」
むくりと、櫂がベッドから身を起こした。
「おはようございまふ。おほいお目覚めでふね」
「……口に歯ブラシつっこんだまま喋るな」
しゃこしゃこと歯を磨いているのは、櫂と同い年で元かつ現チームメイトのレンだ。チームNAL4としてVFサーキットソウルステージに出場する二人は、チームメイトのテツ、アサカと共に市内のホテルに泊まっている。
それもそうかと口をゆすいだレンが、隣で順番待ちをしていたらしい櫂に洗面台を譲る。
顔を洗う櫂を横から眺めながら、レンが言った。
「眉間にシワが寄っていますよ?」
タオルで顔を拭いた櫂は、確かに眉間にシワの寄ったままの表情で答えた。
「アイチを家出に誘う夢を見た……」
あいつも俺も小学生だった気がする。意味が分からん。そう唸る櫂に、レンは首を傾げる。
「……君、そんな積極的な人でしたっけ?」
暫くの間の後に、むに、と、櫂がレンの頬を軽くつねった。
「何するんですか!」
「なんとなくだ」
櫂は真顔のまま回答をはぐらかした。いやに的確なツッコミだと感じたとは言えなかった。手が出ている時点で、言い返せないと自白したようなものだったが。
そのあたりは本能で分かるのか、レンはそれ以上追求することなく話題を変える。
「ソウルステージ、チームQ4と当たるかもしれませんね。それまで彼らが勝ち抜けば、ですけど」
「当たろうと当たるまいと、勝ち進むだけだろう」
「櫂は当たってみたくないんですか?」
彼らも君の友達でしょうと暗に告げる言葉に、櫂はクールに答えた。
「強い奴と戦えればそれでいい」
しかしその言葉に、レンは意味深に笑った。
含みのある微笑みに釈然としないものを感じて、櫂はじとっとした目でレンを睨む。
「そんな怖い顔しないでください。頑張りましょうね、櫂」
「ああ」
* * *
強い奴と戦えればそれでいい、それは紛れもなく櫂の本心だ。
ただだからと言って、他の気持ちが両立しないわけではないことも、知ってはいる。
例えば――立ちはだかる強敵が、「先導アイチ」だったらいいなとか。
それくらいなら、認めろと言われれば認めてもいいのだが。
“そうしたら僕、きっと皆で会いに行くから”
もしも「アイチ」にそう言ってほしいかと聞かれたら、それに頷けと言われるのは格段にハードルが高くなる。
(……あの夢が本音だとか、頼むから言ってくれるな……)
それはちょっとかっこ悪いからと、そう思う時点で語るに落ちているのかも知れなかった。
彼が探しに行った居場所は、多分まだ見つからないまま――
fin.
+++
櫂くんって両親生きてても家出とかしそう、って思ってパラレルとして考えたはずが、どうもシンボリックな世界観にしかならなくて夢オチになりました。
自分に必要な物をアイチが持ってて、でもそれを持ってるからこそ、自分とアイチは一緒には行けない、みたいな風に櫂くん感じてる気がして。しかし夢ネタって便利すぎて困る…(笑)
櫂くんにとってカードキャピタルとQ4は、なんとなく家出して友達と夜遊び(※NAL4)したくなるくらいには家になってるんだなとこれ書いて思いました\(^o^)/
一期の三和くんポジをレンくんが持って行っていることに今気づいたなんて言えない。
櫂くんの天使の座は三和くんからレンくんにバトンタッチか…今なら三和くん闇落ちできるね!(なまじ2期が記憶改竄で1期リトライというかハードモードで2周目プレイなノリだからシャレにならなそうな件について)
「居場所」って書いたけど正確には「家」です。櫂くんやっぱりどう見てもヴァンガ唯一の根なし草。あとレンくんは今現在人間界に住んでない。天使。テツはどう見ても成人してる(…)
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K玲(仮名)のハンドルで主にヴァンガードSSを投稿しています。日記に載せたのを後日修正転載が基本。
pixivからこのサイトにはリンク等を貼っていません。あんな大手SNSからこんなコアなサイトに直接飛べるようにする勇気無いです\(^o^)/
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