リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
デート完結編。最初の櫂スイ妄想はわりとかっこいい系イメージだったんですが、私の手にかかればかわいい系になるしかないのだった。仕方ないねん…櫂くんかわいいから仕方ないねん…。
5.プロミス
(……結局、ここか)
当てもなく走っていた櫂が視界に捉えたのは、いつも昼寝に使っている公園だった。とにかくあの場を離れたい一心で目的地など考えていなかったけれど、足は自然と慣れた道を選んでしまっていた。
不意にスピードを落として立ち止まった櫂に、スイコも足を止める。つながれたままだった手が、そっと離された。
たそがれの迫る街並の中で、俯きがちに物思いにふける櫂の横顔を、スイコはただ見つめる。
「……サングラス」
「え?」
唐突な呟きは、けれど確かにスイコに向けられていた。
「何故外したんだ」
視線を落としたままで、櫂が問いかける。何がしたいんだ、そんな櫂の問いに答えるためにスイコが外した、変装紛いのサングラス。
あってもなくても、関係のないような小道具ではあったけれど――それでも。
瞳を閉じたスイコが、そっと微笑んだ。
「あなたの前では、つけていたくなかったから」
それは会話だったかもしれないし、単なる独り言の連続だったのかもしれなかった。
ふい、と振り向いた櫂と、スイコの目があった。
その視線を誘導するように、櫂の手が公園を指さす。
「次」
示された先を見つめてきょとんとしたスイコをよそに、やおら櫂は両手をポケットに突っ込むと、そちらへと歩き出す。
多分ついていけばいいのだろうと、スイコは何も言わずにその後を追った。
夜道を照らす街の明かりが、ぽつぽつと灯り始める。
* * *
昼は子供たちで賑わう公園も、今はしんと静まりかえっていた。
薄闇の中でも戸惑いを見せない櫂の足取りに、櫂にとっては慣れた場所なのだろうと思いつつ、スイコは初めての公園を見渡す。
池へと続く段の前で、何かを見つめるように櫂が佇んだ。
「……ここは?」
なんとはなしに尋ねると、応えはすぐに返ってくる。
「アイチがよく落ち込んでる」
「そうなの?」
ありありと浮かんだイメージに、スイコは吹き出した。
櫂がその微笑みを振り向く。
無言のまま距離を詰めて、唇に口づけた。
「………」
お世辞にも慣れているとは言えない手つきで、櫂の両手がスイコの頬を包んでいる。
押し当てられた唇がほのかに熱い。
ほんの数秒後、不服そうな櫂の顔が、スイコを見つめていた――見上げていた。
櫂が気に入らないのは、至近距離に意識させられた身長差なのかどうか。
見上げるのをやめた櫂は、代わりに向かい合わせのまま、スイコの手の甲を包むように握った。
少し低い合わない視線が何を思うのか、スイコには分からなかったけれど。
「……また会えるか?」
確かに何かが芽生えた言葉に、スイコはたゆたうように微笑う。
「ええ、きっと」
どんな形であれ絆が切れることはないだろう。彼が彼である限り。そして自分が、役目を果たし続ける限り。
「敵同士でなければいいけど」
「全くだ」
茶化すように微笑ったスイコに、櫂は軽口で同意した。
手をつないだまま、もう一度顔をあげた櫂と、触れるだけの口づけを交わした。
それが行く先も知らなかった二人の、今日の結末だった。
* * *
またな、そう言って櫂は去っていった。
残されたスイコは、そっと自分の唇に指先で触れてみる。
重ねた唇の熱さが、まだ残っているような気がした。
「……お仕事、やりにくくなっちゃうかしら」
深入りしすぎだかもしれないと思いながら、後悔することはできそうになかった。
+++ BACK +++
櫂「レン、お前にPSYクオリアを与えた連中について、何か知っているか」
レン「ウルトラレアの人達ですか?僕も詳しくは知りませんけど……そう言えば、あのお方って人に、まだ会えていませんね」
櫂「あのお方?」
レン「僕に力をくれた張本人みたいです。彼女たちの上司じゃないですか?」
櫂「ほう」
レン(……なんでしょう、今までで一番悪い顔してます……)
+++ NEXT エピローグ +++
ファン殺到ネタが地味エピソードになったのが最後まで尾を引きましたorz
サングラスネタはもうちょっと自然な流れで出る予定だったんだ…でも面倒から逃げるどさくさ紛れに手をつなぐじゃなくて誰がどう見ても独占欲で連れ出ちゃったんだもの!!言い訳しようがなかったんだもの!!
次で完結です。投石準備お願いします。
(……結局、ここか)
当てもなく走っていた櫂が視界に捉えたのは、いつも昼寝に使っている公園だった。とにかくあの場を離れたい一心で目的地など考えていなかったけれど、足は自然と慣れた道を選んでしまっていた。
不意にスピードを落として立ち止まった櫂に、スイコも足を止める。つながれたままだった手が、そっと離された。
たそがれの迫る街並の中で、俯きがちに物思いにふける櫂の横顔を、スイコはただ見つめる。
「……サングラス」
「え?」
唐突な呟きは、けれど確かにスイコに向けられていた。
「何故外したんだ」
視線を落としたままで、櫂が問いかける。何がしたいんだ、そんな櫂の問いに答えるためにスイコが外した、変装紛いのサングラス。
あってもなくても、関係のないような小道具ではあったけれど――それでも。
瞳を閉じたスイコが、そっと微笑んだ。
「あなたの前では、つけていたくなかったから」
それは会話だったかもしれないし、単なる独り言の連続だったのかもしれなかった。
ふい、と振り向いた櫂と、スイコの目があった。
その視線を誘導するように、櫂の手が公園を指さす。
「次」
示された先を見つめてきょとんとしたスイコをよそに、やおら櫂は両手をポケットに突っ込むと、そちらへと歩き出す。
多分ついていけばいいのだろうと、スイコは何も言わずにその後を追った。
夜道を照らす街の明かりが、ぽつぽつと灯り始める。
* * *
昼は子供たちで賑わう公園も、今はしんと静まりかえっていた。
薄闇の中でも戸惑いを見せない櫂の足取りに、櫂にとっては慣れた場所なのだろうと思いつつ、スイコは初めての公園を見渡す。
池へと続く段の前で、何かを見つめるように櫂が佇んだ。
「……ここは?」
なんとはなしに尋ねると、応えはすぐに返ってくる。
「アイチがよく落ち込んでる」
「そうなの?」
ありありと浮かんだイメージに、スイコは吹き出した。
櫂がその微笑みを振り向く。
無言のまま距離を詰めて、唇に口づけた。
「………」
お世辞にも慣れているとは言えない手つきで、櫂の両手がスイコの頬を包んでいる。
押し当てられた唇がほのかに熱い。
ほんの数秒後、不服そうな櫂の顔が、スイコを見つめていた――見上げていた。
櫂が気に入らないのは、至近距離に意識させられた身長差なのかどうか。
見上げるのをやめた櫂は、代わりに向かい合わせのまま、スイコの手の甲を包むように握った。
少し低い合わない視線が何を思うのか、スイコには分からなかったけれど。
「……また会えるか?」
確かに何かが芽生えた言葉に、スイコはたゆたうように微笑う。
「ええ、きっと」
どんな形であれ絆が切れることはないだろう。彼が彼である限り。そして自分が、役目を果たし続ける限り。
「敵同士でなければいいけど」
「全くだ」
茶化すように微笑ったスイコに、櫂は軽口で同意した。
手をつないだまま、もう一度顔をあげた櫂と、触れるだけの口づけを交わした。
それが行く先も知らなかった二人の、今日の結末だった。
* * *
またな、そう言って櫂は去っていった。
残されたスイコは、そっと自分の唇に指先で触れてみる。
重ねた唇の熱さが、まだ残っているような気がした。
「……お仕事、やりにくくなっちゃうかしら」
深入りしすぎだかもしれないと思いながら、後悔することはできそうになかった。
+++ BACK +++
櫂「レン、お前にPSYクオリアを与えた連中について、何か知っているか」
レン「ウルトラレアの人達ですか?僕も詳しくは知りませんけど……そう言えば、あのお方って人に、まだ会えていませんね」
櫂「あのお方?」
レン「僕に力をくれた張本人みたいです。彼女たちの上司じゃないですか?」
櫂「ほう」
レン(……なんでしょう、今までで一番悪い顔してます……)
+++ NEXT エピローグ +++
ファン殺到ネタが地味エピソードになったのが最後まで尾を引きましたorz
サングラスネタはもうちょっと自然な流れで出る予定だったんだ…でも面倒から逃げるどさくさ紛れに手をつなぐじゃなくて誰がどう見ても独占欲で連れ出ちゃったんだもの!!言い訳しようがなかったんだもの!!
次で完結です。投石準備お願いします。
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