リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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58話櫂くん撃破後のレン様が見た悪夢。櫂レンですがレン→櫂の片思いで闇櫂くん出てきます。
ペルソナブラストでドロップされたイメージ?
櫂VSレンで光VS闇の段階を見届けたからこそアイチはマジェスティ呼べたんだと思うんだよなぁ。櫂くんが過去のイメージをぶつけてレンくんのクオリアに従った未来イメージを相殺して、イメージが空白化したところにアイチは櫂(とレン)の過去からつながる未来像を叩き込んだんじゃないのかなーとかなんとか。

「――勝ってもたいして嬉しそうじゃないんだな」
「……っ!?」
 レンの背後から声が聞こえた。聞き間違えるはずのない声が。
「それも当たり前か」
 振り返ってみても、そこには闇しかない。
 けれど、確かに何かが存在している。
「見えないのか?」
 挑発する声に、PSYクオリアが反応する。
 闇が集まるように、人の形を成した。青いブレザーに身を包んだ茶髪の少年。
「……櫂……?」
 無明の闇から生まれた少年がどんな表情をしているのか、それは朧な陰の向こうで、レンには窺うことができない。
 その手にデッキを携えて、彼が告げる。
「もう一度、ファイトだ」
 性懲りもないと鼻で笑おうとして、うまくいかなかった。
「な、何を言うんです?君はもう僕に屈して……」
 こわばった笑みが、レンの顔に張り付いている。
「受けて……くれるだろう?」
 ゆっくりと見開かれた双眸には、ゆらめく虹色の光がある。
「……まさか――」
 レンの意志とは無関係に、イメージが進行する。

「スタンドアップ、ザ・ヴァンガード」

 * * *

「また……また僕を屈服させようと言うのか、櫂!!」
「――混沌なる静寂に叫びし絶望、幻すら見られぬ闇より暗き闇の力を我に」
「なっ……」
 櫂の声に応えて、レンの目の前に《ファントム・ブラスター・オーバーロード》が――自らの切り札が降り立つ。
 いつもの不敵な笑みに似た、けれど彼の熱の抜け落ちた冷たい瞳で、櫂は――櫂の形をした者は畳み掛ける。
「まだ分からないか?」
「お前は……お前は誰だ!!」
「……レン」
 彼の従えるオーバーロードに不似合いな、ひどく優しい声が響く。
 いつの間にか、レンは立ってはいなかった。後ずさるように見上げる目の前には、跪いた櫂が艶然と微笑んでいる。
「お前は俺を屈服させたかった。……いや、俺に屈服させられたかったんだ……」
「違う……そんなはずない……」
 視線を下へとそらしながら、うわごとのように繰り返しても、何かを止める力にはならない。
「お前は俺に、こう言われたかったんだろう……?」
 耳朶に触れる囁き。
 オーバーロードの刃が、レンを貫く――

 * * *

「――っ!」
 ――覚悟した衝撃は、レンを襲わなかった。
 ただ闇ばかりが、レンを包んでいる。
 反射するべき光のない世界に、何が存在するのかを知る者はいない。
 けれどその世界の中で、自らの頬に伝うものを、レンだけは知っている。

“お前は俺に、こう言われたかったんだろう?”

「…………知って、ますよ」

 君は僕を、屈服させようとしたことなんてなかった。

「……っ」

 そんなこと、思ってくれなかった。


“――好きだ”


 ただ一言そう言ってくれたら、僕はいつでも君のものになれたのに。


 fin.
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K玲(仮名)のハンドルで主にヴァンガードSSを投稿しています。日記に載せたのを後日修正転載が基本。
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あと最近転載しているTwitterはpixivのプロフから飛べます。非公開中です。なんでそんなめんどくさいことしてるんだなんて聞かないであげてください。コミュニティごとに人格切り替えないとパニックになるタイプなんだよ!!(明らかに最初にpixivとHP切り離したのが敗因)

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