リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
別名義でやっていたアニメ・漫画・ゲーム全般(と言いつつアニメメイン)の考察ブログを、内容が古くなったので閉鎖したのですが、もったいなかったのでサルベージしたもの。
初出は2010年12月1日になります。微妙なとこもありそうですが特に修正はしてません。
地味に「既存のイメージを塗り替える考察を!」という今にして思えばものすごいアグレッシブな方針のブログだったので、あらすじとかに私の遊戯王観がもろに出てます(笑)
遊戯は弱虫じゃないよ。マジョリティになびくのを潔しとしない硬派だよ。ファラオはそんな遊戯の強さの純粋な具現にすぎない。とかなんとか(笑)
+++
『遊☆戯☆王』 高橋和希 1996~2004年
(ジャンプ・コミックス 全38巻/集英社文庫 全22巻)
ゲーム大好きな高校生、武藤遊戯(むとう・ゆうぎ)は、その趣味のマイナーさ故に自信が持てず、ろくに友達がいなかった。しかし古代エジプトの秘宝・千年パズルを解き明かしたとき、彼の中に闇のゲームの番人「もうひとりの遊戯」が現れる。強さと自信に満ちた「闇遊戯」。彼は一体何者なのだろうか―?
主人公の遊戯が第一話の時点で、千年パズルに「絶対に裏切らない・裏切れない友達がほしい」と願いを懸けるなんてロマンチストなことしてるわりには、自分で城之内達をかばうために体張ってるあたり全然他力本願じゃないし、自信こそ無いけどそれほど弱虫でもないあたりがポイントだと思います。
以下超絶ネタバレしつつ、ヒロインの杏子ちゃん考察です。
最初はいろんなヒロイン比較しようかと思ってたものを、もう杏子だけでいいじゃんと他を削ったので若干内容がブレてますすみません。
初出は2010年12月1日になります。微妙なとこもありそうですが特に修正はしてません。
地味に「既存のイメージを塗り替える考察を!」という今にして思えばものすごいアグレッシブな方針のブログだったので、あらすじとかに私の遊戯王観がもろに出てます(笑)
遊戯は弱虫じゃないよ。マジョリティになびくのを潔しとしない硬派だよ。ファラオはそんな遊戯の強さの純粋な具現にすぎない。とかなんとか(笑)
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『遊☆戯☆王』 高橋和希 1996~2004年
(ジャンプ・コミックス 全38巻/集英社文庫 全22巻)
ゲーム大好きな高校生、武藤遊戯(むとう・ゆうぎ)は、その趣味のマイナーさ故に自信が持てず、ろくに友達がいなかった。しかし古代エジプトの秘宝・千年パズルを解き明かしたとき、彼の中に闇のゲームの番人「もうひとりの遊戯」が現れる。強さと自信に満ちた「闇遊戯」。彼は一体何者なのだろうか―?
主人公の遊戯が第一話の時点で、千年パズルに「絶対に裏切らない・裏切れない友達がほしい」と願いを懸けるなんてロマンチストなことしてるわりには、自分で城之内達をかばうために体張ってるあたり全然他力本願じゃないし、自信こそ無いけどそれほど弱虫でもないあたりがポイントだと思います。
以下超絶ネタバレしつつ、ヒロインの杏子ちゃん考察です。
最初はいろんなヒロイン比較しようかと思ってたものを、もう杏子だけでいいじゃんと他を削ったので若干内容がブレてますすみません。
数多くの少年漫画において、ヒロインは大体ヒロイン(笑)である。気のせいかもしれない。何故か私の好きな少年漫画は、ヒロイン(笑)なものが多い気がする。でもそれも気のせいかもしれない。ヒロイン(笑)にならざるを得ないような何かがあるタイプの少年漫画が好きなだけかもしれない。
まぁ、それはさておき。
『遊☆戯☆王』において、真崎杏子(まざき・あんず)はおそらくヒロインである。遊戯の幼馴染であり、遊戯の憧れの女の子であり、遊戯が千年パズルを解くことによって現れた「もうひとりの遊戯」に淡い想いを寄せる、ヒロインである。
彼女はきちんと、彼女でなければ果たせない重要な役割を果たしているのだが、いかんせん一般的な読者にとっては影が薄い。おかげで普段はモンスターカードのはずのブラック・マジシャン・ガールがヒロインとして扱われる。
しかしそうは言うけど、ヒロインって、何だよ?
少女漫画で「ヒロイン」と言えば、「主人公」である。主人公が少女ではなく少年な少女漫画も無いわけではないが、基本的には「ヒロイン」=「主人公」である。
では少年漫画で「主人公」のことを「ヒーロー」と呼ぶか?呼ばない。ほとんど呼ばない。何故なら和製英語で「ヒーロー」とは「英雄」のことである。「誰か(何か)を救う人」のことである。少年漫画の主人公が必ず「ヒーロー」であるとは限らないし、もはや「ヒーロー」は男性に限定されない。
少年漫画においては「メインの女性キャラクター」が「ヒロイン」と呼ばれる。この「ヒロイン」は「女主人公」とほぼイコールと見てさしつかえないだろう。
しかしあえて考えてみよう、「ヒロイン」とは本当にその程度の存在なのだろうか?
『遊☆戯☆王』のヒロイン・杏子は、最初期(コミックス1~3巻)のストーリーにおいては、遊戯のもうひとりの人格「ヒーロー・闇遊戯」が助ける「大勢の中の一人」でしかない。もちろん、当初から(表)遊戯は幼馴染である杏子に好意を寄せているし、杏子は闇遊戯に惹かれていくので、「ヒロイン」には違いない。しかし、それはストーリー上はいわゆる「紅一点」であるというだけの話であり、どう見ても「大勢の中の一人」である。
中期(コミックス4~15巻)においても、状況はほとんど変わらない。杏子は最初期の間に集った「闇遊戯」の「仲間の中の一人」であり、杏子は「ヒロイン」=「メインの女性キャラクター」に留まっている。
しかし、「闇遊戯」が「遊戯の中に眠っていた別人格」ではなく、「千年パズルに眠っていた全くの別人」だと判明した後期(16~最終巻)から事情が変わってくる。杏子は、「闇遊戯」に惹かれていた―淡い恋心を抱いていた。このことが、彼女を他の仲間とは一線を画す存在に変えることになる。他の仲間(遊戯自身を含む)にとって、「闇遊戯」も「遊戯」も等しく「仲間」であり、それが「一人」だろうが「二人」だろうがたいした違いは無い。しかし杏子にとっては、「闇遊戯」が恋心を寄せる「唯一特別な存在」であるために、「闇遊戯」と「遊戯」の区別は大問題だったのである。
後期のストーリー、「闇遊戯の記憶(=自分)探し」は、それが見つかることで「闇遊戯がここではないどこかに行ってしまう」可能性が最初から見えているものだった。このため、遊戯は闇遊戯に「ボクの記憶を全部あげるから(どこにも行かないで)」と、闇遊戯を引き止めることになる。しかし、杏子は「闇遊戯」に思いを寄せればこそ、別れたくないと心の隅で思いながらも、「自分の気持ちに正直でいて(=記憶を探したいなら探して。行くべきところがあるならそこに行って)」と、闇遊戯の記憶探しを後押しすることになるのだ。
ここで、杏子が闇遊戯を後押しするためのお膳立て自体は遊戯がしていたことを忘れてはいけないだろう。闇遊戯を引き留めた遊戯自身、杏子と同じように、闇遊戯に自由でいてほしいとも思っていた。そして闇遊戯を後押しした杏子もまた、遊戯と同じように闇遊戯と別れたくなかった。同じことを考えている二人が、しかし「闇遊戯」が「肉体を共有する相手」か、「想いを寄せる相手」かという立場の違いによって、闇遊戯へのメッセージを分担することになったのである。
そして最終的に、闇遊戯が現世に残るか、それともあるべき場所へ還るかという決断は、闇遊戯=アテムVS遊戯のデュエルによって決定されることになる。
興味深いのは、アテム自身は「闇遊戯」として現世に残ることを望み、遊戯は「闇遊戯」を「アテム」として冥界に還さなくてはならないと考えていることである。このデュエルは「アテム」VS「遊戯」の全力を懸けたデュエルであると同時に、「闇遊戯」=「もうひとりの遊戯」=「仲間と離れたくないという遊戯自身の弱い心」と「遊戯」の間での心の闘いなのだ。だからその勝敗を決めたものは実力差ではなく、「あるべき運命」を遊戯が見定め、受け入れた結果とも言えるだろう。
そして「もうひとりの遊戯」が「遊戯」に敗れ、「アテム」と「遊戯」が完全に別個の存在へと分かたれたとき、杏子は初めて「アテム」に向かって「待って!」と叫ぶことになる。「アテム」との別れは、最初から分かっていたことだった。しかし、「アテム」が、「アテム」と「遊戯」との狭間で「闇遊戯」として揺れ動いている間には、杏子には言うわけにいかない想いでもあった。だからこそ、それが言えるようになった瞬間の別れに、杏子は「意味が分からないよ!」と涙を流すことになるのだ。
そしてその杏子に、「仲間」代表である城之内が「意味なんかわかんなくていい」と言って、「アテム」へとこう叫ぶ。「アテムだろうがお前は遊戯だ!千年経とうが、オレ達はずっと仲間だ!」
『遊☆戯☆王』において、主人公「武藤遊戯」とは主に「闇遊戯」を指すのだが、これは必ずしも「アテム」ではなく、ある意味では「遊戯のヒーローとしての姿」=「理想の遊戯」である。しかも「冥界」でアテムを待つ人の中に神官セトがいたこと、海馬瀬人が神官セトの生まれ変わりであることを考えると、アテムは遊戯の前世である可能性があり、「闇遊戯」とは、アテムに乗り移られることによって現れた「未来(本来)の遊戯の姿」かもしれないのである。(アニメ版GXを見る限り、アニメスタッフはこの解釈を採用しているように思う)
杏子の「闇遊戯」に対する淡い恋心は、この「闇遊戯」という存在の曖昧さを刻印するものであり、そういう意味で、「ヒーロー・闇遊戯」を成立させるために、杏子はなくてはならない「ヒーローのパートナー」=「ヒロイン」だったと言えるのではないだろうか。
まぁ、それはさておき。
『遊☆戯☆王』において、真崎杏子(まざき・あんず)はおそらくヒロインである。遊戯の幼馴染であり、遊戯の憧れの女の子であり、遊戯が千年パズルを解くことによって現れた「もうひとりの遊戯」に淡い想いを寄せる、ヒロインである。
彼女はきちんと、彼女でなければ果たせない重要な役割を果たしているのだが、いかんせん一般的な読者にとっては影が薄い。おかげで普段はモンスターカードのはずのブラック・マジシャン・ガールがヒロインとして扱われる。
しかしそうは言うけど、ヒロインって、何だよ?
少女漫画で「ヒロイン」と言えば、「主人公」である。主人公が少女ではなく少年な少女漫画も無いわけではないが、基本的には「ヒロイン」=「主人公」である。
では少年漫画で「主人公」のことを「ヒーロー」と呼ぶか?呼ばない。ほとんど呼ばない。何故なら和製英語で「ヒーロー」とは「英雄」のことである。「誰か(何か)を救う人」のことである。少年漫画の主人公が必ず「ヒーロー」であるとは限らないし、もはや「ヒーロー」は男性に限定されない。
少年漫画においては「メインの女性キャラクター」が「ヒロイン」と呼ばれる。この「ヒロイン」は「女主人公」とほぼイコールと見てさしつかえないだろう。
しかしあえて考えてみよう、「ヒロイン」とは本当にその程度の存在なのだろうか?
『遊☆戯☆王』のヒロイン・杏子は、最初期(コミックス1~3巻)のストーリーにおいては、遊戯のもうひとりの人格「ヒーロー・闇遊戯」が助ける「大勢の中の一人」でしかない。もちろん、当初から(表)遊戯は幼馴染である杏子に好意を寄せているし、杏子は闇遊戯に惹かれていくので、「ヒロイン」には違いない。しかし、それはストーリー上はいわゆる「紅一点」であるというだけの話であり、どう見ても「大勢の中の一人」である。
中期(コミックス4~15巻)においても、状況はほとんど変わらない。杏子は最初期の間に集った「闇遊戯」の「仲間の中の一人」であり、杏子は「ヒロイン」=「メインの女性キャラクター」に留まっている。
しかし、「闇遊戯」が「遊戯の中に眠っていた別人格」ではなく、「千年パズルに眠っていた全くの別人」だと判明した後期(16~最終巻)から事情が変わってくる。杏子は、「闇遊戯」に惹かれていた―淡い恋心を抱いていた。このことが、彼女を他の仲間とは一線を画す存在に変えることになる。他の仲間(遊戯自身を含む)にとって、「闇遊戯」も「遊戯」も等しく「仲間」であり、それが「一人」だろうが「二人」だろうがたいした違いは無い。しかし杏子にとっては、「闇遊戯」が恋心を寄せる「唯一特別な存在」であるために、「闇遊戯」と「遊戯」の区別は大問題だったのである。
後期のストーリー、「闇遊戯の記憶(=自分)探し」は、それが見つかることで「闇遊戯がここではないどこかに行ってしまう」可能性が最初から見えているものだった。このため、遊戯は闇遊戯に「ボクの記憶を全部あげるから(どこにも行かないで)」と、闇遊戯を引き止めることになる。しかし、杏子は「闇遊戯」に思いを寄せればこそ、別れたくないと心の隅で思いながらも、「自分の気持ちに正直でいて(=記憶を探したいなら探して。行くべきところがあるならそこに行って)」と、闇遊戯の記憶探しを後押しすることになるのだ。
ここで、杏子が闇遊戯を後押しするためのお膳立て自体は遊戯がしていたことを忘れてはいけないだろう。闇遊戯を引き留めた遊戯自身、杏子と同じように、闇遊戯に自由でいてほしいとも思っていた。そして闇遊戯を後押しした杏子もまた、遊戯と同じように闇遊戯と別れたくなかった。同じことを考えている二人が、しかし「闇遊戯」が「肉体を共有する相手」か、「想いを寄せる相手」かという立場の違いによって、闇遊戯へのメッセージを分担することになったのである。
そして最終的に、闇遊戯が現世に残るか、それともあるべき場所へ還るかという決断は、闇遊戯=アテムVS遊戯のデュエルによって決定されることになる。
興味深いのは、アテム自身は「闇遊戯」として現世に残ることを望み、遊戯は「闇遊戯」を「アテム」として冥界に還さなくてはならないと考えていることである。このデュエルは「アテム」VS「遊戯」の全力を懸けたデュエルであると同時に、「闇遊戯」=「もうひとりの遊戯」=「仲間と離れたくないという遊戯自身の弱い心」と「遊戯」の間での心の闘いなのだ。だからその勝敗を決めたものは実力差ではなく、「あるべき運命」を遊戯が見定め、受け入れた結果とも言えるだろう。
そして「もうひとりの遊戯」が「遊戯」に敗れ、「アテム」と「遊戯」が完全に別個の存在へと分かたれたとき、杏子は初めて「アテム」に向かって「待って!」と叫ぶことになる。「アテム」との別れは、最初から分かっていたことだった。しかし、「アテム」が、「アテム」と「遊戯」との狭間で「闇遊戯」として揺れ動いている間には、杏子には言うわけにいかない想いでもあった。だからこそ、それが言えるようになった瞬間の別れに、杏子は「意味が分からないよ!」と涙を流すことになるのだ。
そしてその杏子に、「仲間」代表である城之内が「意味なんかわかんなくていい」と言って、「アテム」へとこう叫ぶ。「アテムだろうがお前は遊戯だ!千年経とうが、オレ達はずっと仲間だ!」
『遊☆戯☆王』において、主人公「武藤遊戯」とは主に「闇遊戯」を指すのだが、これは必ずしも「アテム」ではなく、ある意味では「遊戯のヒーローとしての姿」=「理想の遊戯」である。しかも「冥界」でアテムを待つ人の中に神官セトがいたこと、海馬瀬人が神官セトの生まれ変わりであることを考えると、アテムは遊戯の前世である可能性があり、「闇遊戯」とは、アテムに乗り移られることによって現れた「未来(本来)の遊戯の姿」かもしれないのである。(アニメ版GXを見る限り、アニメスタッフはこの解釈を採用しているように思う)
杏子の「闇遊戯」に対する淡い恋心は、この「闇遊戯」という存在の曖昧さを刻印するものであり、そういう意味で、「ヒーロー・闇遊戯」を成立させるために、杏子はなくてはならない「ヒーローのパートナー」=「ヒロイン」だったと言えるのではないだろうか。
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