リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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まさかのつづいた。名前しか出ないけどやっつけオリジナルユニット注意です。ファイトなどなかった。そして登場人物に脈絡なくレッカとスイコが追加されてますが、最初からいたことにしてください(土下座)
前回以上に好き勝手やってます。本編設定は拾ったり拾わなかったり。一番大きいところだと、この時空は多分書記ちゃんがいません…。だって!!書記ちゃん出したらアイチがクレイに行くかユニットが地球に来るかしてヴォイド本体と戦ったりしちゃうでしょう!?私知ってるんだから!!(黙れ)あとそのアオリを食らって(?)コーリンちゃんも出番ありませんごめんなさい(土下座)


 それはまさに死闘だった。何の意味もなく、目的も理由もすべて忘れて。ただ相手を叩き潰すためだけに戦う。
「これで終わりだ……!行け!覇王 ダッドリー・エンペラー“Я”、カオスブレイカーにアタック!!」
「ダメージ、チェック……!」
 力なく開かれた櫂の手から、カードがダメージゾーンへはらりと舞い落ちる。トリガーはクリティカル、六枚目のカード。
「へっ、やったぜ……とうとう勝った、この、俺様が……!」
 ヴォイドの空間が消え失せる。
 二人のファイターは、同時に地面へと倒れ伏した。

 * * *

「二人の様子を!」
 タクトの声に、スイコ、レッカが、それぞれ櫂とキョウのもとへと駆け寄る。
 レッカがキョウの背に手を触れると、キョウが薄く目を開いた。
「う……。……っ?」
「――こっちは大丈夫!」
 キョウが意識を取り戻したのを確認して、レッカはタクトへと伝える。タクトはそれに頷くと、反対に声のないスイコと櫂のもとへ駆けつけた。
「……まずいわ……」
「どんな状態です?」
「脈が止まってる。このままじゃ……」
 スイコは表情を引き締めると、櫂を仰向けにして胸部に掌を重ねる。
 心臓マッサージを試みるスイコに、レッカに支えられながら歩み寄ってきたキョウが問いかけた。
「……助かりそうか」
「分からない」
 暫くその光景を見つめていたキョウは、ひとつ舌打ちして、スイコを押しのけると櫂の胸ぐらを掴んだ。
「おい聞けこのバカ!」
 反応のない櫂に、キョウはまくしたてる。
「俺様の勝利も見届けずに勝手にくたばるんじゃねぇ!!お前が悔しがってやっと俺様の復讐は完成するんだからな!!」
 その言葉に、スイコが目を丸くする。
「あなた、覚えてるの……?」
「あん? ……ああ、そーいやそうだな。覚えてるぜ」
 今までリバースしたファイターは、もとに戻った時にはその記憶を失っていた。スイコに問われて、キョウもやっと自分が例外だったことに気づく。
 それについて、タクトが口を開いた。
「ほとんどのファイターは敗北によって望まぬ力に支配されていましたが、君は違いますね?」
「確かに、コイツぶっとばせるならなんでもよかったからな」
 強制的に体を乗っ取られるリバースとは違う。おそらくは、それが原因なのだろう。
「――つーわけだ、こら聞けつってんだろ、起きろ!櫂!!」
 情け容赦なくキョウが揺さぶると、げほっ、と咳き込んで、櫂が目を開けた。
「……矢作……?」
 櫂が気が付いたことで、タクト達が安堵の表情を浮かべる。
「気づいたようだな」
 にや、とキョウが笑うと、櫂はしばらく考えるように沈黙する。
「俺は……負けたのか」
 櫂にそう言わせたのは、諦念か――それとも、決意だったのか。
「……。……ああそうさ。この俺様にな」
 覇気のない櫂に、吐き捨てるように言ってキョウが手を離す。それは失望したと言わんばかりの口調だったけれど、どこか同情しているようにも聞こえた。
 傍らに待機していたスイコが、起き上がった櫂の上体を支える。櫂の目がそこにいる全員を見渡して、タクトで止まった。
「タクト……か」
 言葉少ない櫂の真意を読み取って、タクトが頷く。
「ええ。正真正銘、立凪タクトです」
 そのまま、櫂は押し黙る。
 何があったのか、何をしたのか、櫂も覚えているようだった。
「……俺は――」
「櫂くん!!」
「櫂!」
「キョウ!」
「無事か!?」
「――ヴァンガードをやめる」
 櫂がそう言うのと、アイチとレン、そしてジョーとアキラが駆け込んでくるのは同時だった。
「え……?」
 呆然と、アイチが目を見開く。その隣で、レンは険しい表情で櫂を見つめていた。
「櫂くん、今、なんて……」
 聞き返すアイチに、櫂は答えない。
「……嘘、だよね? 櫂くんが、ヴァンガードやめるなんて……」
 聞こえたままを繰り返したアイチに、櫂は俯いたまま絞り出す。
「……嘘じゃない」
「なんで!?」
 それ以上を、櫂は続けない。
「……櫂トシキ、ひとつ確認させてください」
 膠着した空気を切り開くように、タクトが尋ねる。
「ヴォイドの呪縛は、君に収束したんですか?」
「あ……っ」
 櫂がファーストリバースファイターだったことは、キョウから連絡を受けたアイチ達も知っている。しかしそれ以外、今までに何が起こって、ここで何があったのかは、まだ全く知らない状態なのだ。
「君達二人のリバースは解除されているように見えます。けれど、リバースファイター同士が戦って何も起こらないとは、僕には思えない。まして君は始祖だった。君が戦おうとしないのは、まだヴォイドが巣食っているからなんじゃ……」
 一人で背負おうとしているんじゃないのか。そう尋ねるタクトに、櫂は否定するように答える。
「……あるべき場所に還っただけだ。ヴォイドは……いや、リンクジョーカーは俺から生まれた。ヴァンガードに縋らなければ生きていけなかった俺の……弱さの結晶なんだ」
 普段の無口に体力の消耗も手伝って、とつとつと語る櫂の言葉に、レンがひとつため息をつく。
「因果関係がおかしくないですか? 浸っているだけなら怒りますよ」
 静かな口調だったが、本気で言っているのが伝わる声だった。その怒りが、櫂を気遣えばこそだということも。
「虚無に実体は無い。依代を探していたあれに、形を与えたのは俺の闇だ。あれはたまたま俺と出会い……このデッキに安定した。俺が敗れた今、これはもう、何の変哲もないただのカードだ」
 櫂が手にしたデッキからは、確かにもう、以前の禍々しさは感じられなかった。
「だったらなおさら、やめることなんて……!」
「言っただろう、これは俺の弱さだと。……タクトが言ったことも半分は間違いじゃない。このデッキからヴォイドの力を消し去るのと引き換えに、俺は俺の……限界を認めたんだ」
「嘘だ!!」
 叫んだアイチの言葉にも、櫂は俯いたままだ。
「ヴァンガードがないと生きて行けなかったときは……ヴァンガードに縋らないと生きていけないときは、僕にだってあったよ。だけど、だけどそれは、弱さなんかじゃない、君がくれた強さだった!!なのに……っ、なのに君が……!」
 ぎゅ、と、櫂の右手がデッキを握った。
「……先導アイチ」
 ゆらりと、櫂が立ち上がる。体力が追いつかないのかふらついた櫂に、スイコが肩を貸した。
 満身創痍の体には不似合いな鋭い眼光が、アイチを貫く。
「俺と勝負しろ。今の俺にはリンクジョーカーしか使えない。それでもいいならな」
「……!」
 アイチが目を見開く。
「何を言ってるんです、そんな体で……!」
 連戦の負担を危惧するタクトにも、櫂は耳を貸さない。
 やるなら今しかない。アイチから逸らされない目が、そう言っていた。
「……わかったよ櫂くん」
「先導アイチ……」
 覚悟を決めたアイチの表情に、タクトは言葉を失う。
「君の弱さは――僕が否定する!!」




つづきます\(^q^)/
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