リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
素で櫂くんのせいでコーリンちゃんが失恋(?)した件について。すみませんコーリンちゃん泣かしました楽しかったです(懺悔)片思いしてるコーリンちゃんって超かわいいと思います。ごめんコーリン。
アイチを宮地CF部が元気づける話。話をどこに持ってけばいいか悩んでたんですが、シンゴの心を動かしたナオキ見て「これだ!」って思ってこうなりました。宮地学園カードファイト部の底力を見た。ところでミサキさんにナオキが何呼びでどんな口調だったかわからなかったんですがこれであってますかね。
あと始まりが雑だったので設定があれですが、この話では福原で異変があったことをレンがアイチに知らせて、ほぼ速攻でキョウが櫂にたどりついたので事件は福原でしか起こってないということにしてください。
アイチを宮地CF部が元気づける話。話をどこに持ってけばいいか悩んでたんですが、シンゴの心を動かしたナオキ見て「これだ!」って思ってこうなりました。宮地学園カードファイト部の底力を見た。ところでミサキさんにナオキが何呼びでどんな口調だったかわからなかったんですがこれであってますかね。
あと始まりが雑だったので設定があれですが、この話では福原で異変があったことをレンがアイチに知らせて、ほぼ速攻でキョウが櫂にたどりついたので事件は福原でしか起こってないということにしてください。
“俺は、ヴァンガードをやめる”
“リンクジョーカーは俺から生まれた。ヴァンガードに縋らなければ生きていけなかった俺の……弱さの結晶なんだ”
“負けたくなかったんだ。お前にも、自分にも、何に対しても”
“今は、一人にしてくれないか?”
「アイチ、おいアイチ」
「……えっ!?」
物思いにふけっていたアイチに、声をかけたのはナオキだった。
ここは学校の教室。気づけばショートホームルームも終わって、既に周囲は帰り支度をしている。
「大丈夫か?」
「う、うん」
「……部室いこーぜ、例の話、どうなったのか教えてくれる約束だろ?」
落ち込んでいる理由はそれなんだろうと思いながら、ナオキはあえて軽く笑った。
起こっている事件の中心に櫂とタクトがいる、キョウからその情報を伝えられたとき、切迫した事態にアイチはレンと共に早急に駆けつけることを優先した。一応仲間たちにも連絡はしていたけれど、間に合わず結局は事後報告となったのだ。
うまく答えられずに、曖昧にアイチは笑った。
ナオキがいなかったら、その報告からも逃げていたかもしれなかった。
* * *
二人が部室に入ると、そこにはもういつものメンバーがそろっていた。一足先に教室を抜けていたコーリン、シンゴ、そしてミサキ。
「よ、待たせたな!」
「こんにちは……」
ぎこちなく挨拶をすると、ミサキがやさしく笑いかける。
「お疲れ様」
皆にならって、アイチとナオキはいつものミーティング通り適当に腰かけた。
「大変だったみたいだね」
「ですが全ては終わりました。これも先導くんのお蔭なのです!」
「そんなことないよ。結局、櫂くんを止めたのはキョウくんだったし……」
アイチは弱々しく困惑したように笑ったけれど、そのまま表情は曇って俯いてしまう。
アイチが櫂と戦ったのはキョウの後だ。櫂にヴァンガードをやめてほしくなくて、櫂の誘いに乗ってファイトを挑んだけれど――それは結局、櫂を追いつめることにしかならなかった気がしていた。
そんなアイチに、四人は顔を見合わせる。どこから話を聞けばいいのか分からなかった。
「……まだよく分かんねぇんだけど、敵の親玉は櫂トシキだったのか?」
ひとつひとつ聞こうとしてくれるナオキに、アイチは頷く。
「僕もよく分からないけど、櫂くんはそんな風に言ってた。もっと詳しいことはタクトくんに聞けば、教えてくれると思うけど……」
言いよどんだアイチに、ナオキが水を向ける。
「……要はお前が悩んでるのは、そこじゃねーんだよな?」
「うん……って、あれ?」
ナオキの言葉で、自分を見つめる四人の意味に今更気づいて、アイチが戸惑う。
「……これ、事件の報告……なんだよね?」
アイチがそう尋ねると、ナオキ、シンゴ、そしてミサキが複雑にアイコンタクトを交わす。コーリンは表情を曇らせて、考え込むように俯いていた。
口火を切ったのはやはりナオキだ。
「俺はお前が落ち込んでるみたいだから、話し聞こうと思っただけだぜ?」
「僕は先導くんを元気づけたかったのです」
クラスメイトの二人は、アイチの様子がおかしいことには早々に気づいていたらしい。
「あたしも、何か力になれないかって思ってたかな」
そう言ったミサキはQ4時代からのチームメイトだ。櫂が事件に関わっていたという時点で、アイチが普通にしていられない可能性は十分に感じていた。
そんなミサキに一拍おいて、コーリンが告げる。
「いつものカードファイト部の活動のつもりだったわ。でも……そうね」
すっと、コーリンが立ち上がる。心なしか、いつもより声のトーンが低い。
「ちょっと用事思い出したから、悪いけど席を外すわ。つきあいなさい、シンゴ」
「え、ちょ、僕もですか!?」
「そうよ」
事態が呑み込めていないシンゴをコーリンは無理やり引きずっていく。
「……話は、また後で聞かせて」
そう言い残して、コーリンとシンゴは部屋から去って行った。
* * *
重い足取りでコーリンが向かっているのは、多分カフェテラスなのだろう。廊下を仕方なくついていきながら、シンゴはコーリンに問いかける。
「コーリンさん、何故なのです。僕だってカードファイト部の一員として、先導くんの話を聞いてあげたいのです!」
「私は……聞けない」
「な、何故ですか?」
「……アイチは、本当に櫂トシキに憧れていたの。あの子がヴァンガードを始めたのも、強くなれなくて悩む理由も、諦めずに進む理由も、全部彼だった。私はずっと、それが悔しくて……」
「……よく分からないのです。元チームメイトというだけではないのですか?」
「あなたが憧れた“先導アイチ”を作ったのは、半分は櫂トシキみたいなものよ」
コーリンの言葉の意味は、シンゴには半分も分からなかった。ただ、どうもシンゴが思っていた以上に、アイチにとって櫂が重い存在なのだということだけは伝わってくる。
「……だから先導くんは、あんなに落ち込んでいるのですか?」
「そうね、そう……だから……」
淡々と語っていたコーリンの目から、涙がこぼれた。コーリンの歩みが止まってしまう。
「今のあの子を、私は支えてあげられない。……私じゃダメなの……」
「な、泣かないでなのです」
いつもは勝気なコーリンの涙に動揺しながら、シンゴは必死で彼女をなだめる。確かにもう、部室には戻れそうになかった。
(先導くんのことも、コーリンさんのことも、知らないことがいっぱいなのです……)
* * *
「コーリンさん……」
「……あんたに気を遣ったんだと思う。だから、そっとしておいてあげて」
「……シンゴもついてるし、多分大丈夫だろ」
アイチが話しやすいように出ていったことはミサキにもナオキにも知れて、表情を曇らせたアイチを二人がフォローする。
そうやってみんなが気遣ってくれていることは、アイチにもきちんと伝わってくる。
だからアイチは、重い口を開いた。
「……櫂くんが、ヴァンガードやめるって言うんだ」
「あの、櫂トシキがか?」
意外そうに聞き返すナオキに、アイチは頷く。
「僕、櫂くんがなんでそんなこと言うのか、全然分からなくて。自分が弱いって、だからやめるって……」
「……諦めるって意味か?」
「そうだと思う……」
「諦める」という言葉の響きが、アイチに重くのしかかる。
それは自分が――かつての自分が慣れ親しんでいた言葉で、櫂には一番似合わない言葉だと思っていた。
「でも」
それが単なる勘違いだとは思えずに、アイチは言葉を続ける。
「櫂くんは、弱くなんてなかった。確かにデッキはリンクジョーカーで、前の櫂くんとは違ったけど、だけど」
強かったんだ。
そう言おうとして、彼の呪縛に感じたイメージをアイチは思い出す。
“呪縛されてるのは君自身だ!絆を封じられて、たった一人で戦ってる。そこにいるはずの仲間に、手を伸ばしても届かなくて、”
“それ以上言うな!”
「……仲間を信じきれなくて、誰にも助けを求められない。それでも櫂くんは、一人で戦い続けてきたんだ……」
冷静になった今だから分かることがある。うなだれたアイチに、ミサキが相槌を打つ。
「……それをあいつは、弱さだって言ったんだね」
こくんと、アイチは小さく頷いた。
「僕はそれは違うと思った。今でもそう思ってる。だからわからないんだ。僕は櫂くんに、なんて言えばよかったのか……」
それきり言葉が続かなくなって、三人の間に沈黙が落ちる。
櫂のことがわからない。それがアイチの行き止まりだった。
「……あのさ」
沈黙を破ったのはミサキだった。控えめな声に、アイチが顔を上げる。
「あいつが誰にも助けを求められないって言ったけど、あいつ多分、どっかで気づいてると思うんだよ。あんたが……皆が自分のこと心配してるって」
「え……?」
「そうじゃなきゃ、それを弱さだなんて言えないはずだよ」
そう言って、ミサキはためらいがちな微笑みを浮かべる。
「……そう、なのかな」
微かな希望を信じていいのかわからなくて、アイチは戸惑う。
この間のレンと同じように、ミサキにも何か、自分とは違う櫂が見えているような気がする。
「……あの、ミサキさんは知ってますか? 櫂くんが、五年前にご両親亡くしてたって……」
言いにくそうにアイチが尋ねると、ミサキは一瞬意表を突かれたような顔をする。
「いや、知らなかったけど……そうなんだ。……そっか」
何かが腑に落ちたように、そう相槌を打った。
「……櫂くん、そのことをずっとたいしたことないって思ってたらしいんです。でも……」
「……っ、そんなはずねーじゃん!」
アイチが言いよどんでいると、ずっと黙っていた――おそらくは話についていけていなかったのだろう――ナオキが突然叫んだ。
「五年前って、あの人まだ小学生だろ? それで両親なくしてって……たいしたことねーわけねーだろ!?」
「うん……」
もちろんアイチもそう思っている。ただ、おそらくはまだその意識を引きずっている櫂の空気に当てられて、うまくリアクションが取れずにいた。
その意識は多分、櫂が反射的に展開した自分を守るための防御フィールドだ。それを否定してしまえば、櫂自身を傷つけそうな気がして、アイチは動けなかった。
そんなアイチに、ナオキはばりばりと頭をかいて言った。
「アイチ、俺やっぱりわかんねーんだけど、あの人ほんとにお前のこと信じてねーのか?」
「……え?」
「お前がそれだけ心配してるのに、それが届いてねーなんて俺は信じらんねえ。お前はあの人とファイトして、あの人が何を抱えてるのかちょっとでも分かったから悩んでんだろ? 今の話だって、本人から直接聞いたみたいだし。ちゃんと届いてるものあんじゃねーか」
あっけらかんとしたナオキの言葉に、アイチが目を見開く。
「ばんちょ……ミサキさんが言ったのも、そういうことっすよね」
「まあね」
敬語が使い慣れない風のナオキに苦笑しながらミサキが頷く。
「あいつは弱音とか吐くの心底苦手だと思うけど、相手があんただったから頑張ったんじゃない? あいつにとっても、あんたは特別なんだと思うよ。はたから見てるとね」
「ミサキさん……」
今の状況で、アイチにはマイナスしか見えなかったけれど、仲間にはもっと違うものが見えていた。それを知っただけでも、世界が変わってくる。
そんな風に世界を変えるきっかけを、最初に与えてくれたのは――自分の知らないイメージを、アイチに最初に教えてくれたのは、他でもない櫂自身だった。
「元気出せよ。そんだけありゃ、なんとかなるって。あの人も、お前も、一人じゃねーんだからさ」
ナオキの言葉はとても楽観的だったけれど、今のアイチにはすんなりと受け入れられた。
だからアイチは、微笑むように言った。
「……うん。ありがとう、みんな」
多分続く…?
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