リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
まだ続く、今度は櫂くんと三和くん編。
本編がリアル最終決戦に突入して完全に出すタイミングを逃したような気がしますが、相変わらず書きたいことあるから書いてしまうのだった…。後江高校CF部はもっと評価されるべき。他校と違って魅力の中心がヴァンガードじゃないから扱いにくいのかなって気がしないでもないですが。三和君にも言えること。というか三和くんに思ってたこと。
それにしてもコーリンちゃん失恋路線だけは地味に当たってましたね。櫂くんが絡んでなかったあたりがさすが本編だと思いました(笑)
本編がリアル最終決戦に突入して完全に出すタイミングを逃したような気がしますが、相変わらず書きたいことあるから書いてしまうのだった…。後江高校CF部はもっと評価されるべき。他校と違って魅力の中心がヴァンガードじゃないから扱いにくいのかなって気がしないでもないですが。三和君にも言えること。というか三和くんに思ってたこと。
それにしてもコーリンちゃん失恋路線だけは地味に当たってましたね。櫂くんが絡んでなかったあたりがさすが本編だと思いました(笑)
人気(ひとけ)のない放課後の教室。窓際の席で片肘をついた後姿は、窓の外に何を見るのだろう。
「櫂」
入口から呼びかけると、櫂はかすかに振り向いて、気まずそうに視線をそらした。三和は構わず歩み寄って、その前の席の椅子に横座りで腰かける。
「こんなとこで何してんだ?」
とぼけた調子で問いかけると、櫂はため息をつくように答えた。
「お前こそ、今は部活動中じゃないのか」
「サボってる部員を連れ戻すのも立派な部活動だろ」
部長だしなと笑う三和の意図を測りかねるのか、櫂が黙り込む。
櫂が何も言わないのを確かめて、三和が続けた。
「やめちまうのか? 部活」
いささか唐突な質問に、櫂は投げやりに問い返す。
「……誰に何を聞いたんだ」
「ねーちゃんから、お前がヴァンガードやめるとか言ってるって」
ねーちゃんはアイチから聞いたってさ。三和はそう付け加えた。律儀に答えられて、櫂は何故だか追いつめられたような気分になる。これは墓穴を掘ったかもしれない。
「そこまで考えてなかった」
ぼやくように答えた櫂に、三和が意外そうな顔をする。曖昧な答えが櫂らしくないとでも思っているのだろう。
ヴァンガードをやめるなら、ヴァンガード部もやめるのが自然なのは分かる。実際今だって、活動時間なのが分かっていて櫂はサボっていた。それでも、ヴァンガードをやめることととこの部活をやめることは、櫂の中で一直線にはつながらなかった。
心持ち背筋を正して、三和は切り出す。
「……何があったんだ?」
結局のところ、三和の本題はそれだったのだろう。
(何が? ……何なんだろうな)
何もかも中途半端なまま、こんなところで油を売っている理由。言葉だけならいくらでも思いついて、けれどそれが事実かどうかは櫂にも分からなかった。どれも本当のような気がして、どれも間違っているような気がする。ただ、これ以上闇雲に進むわけにはいかないんだと、そう思っただけだ。
自分の何かが不純な気がして、それを抱えたままヴァンガードを続けたくなかった。
櫂はおもむろに口を開く。
「……地区大会で、俺に決勝で戦ってほしかったとか言っただろ」
「え? ……うん」
三和は一瞬意表を突かれた顔をして、戸惑い気味に頷いた。事実だけ見れば、櫂は勝って三和は負けていて、決勝に行けなかった原因には三和のほうが近い。
けれど、櫂は逆なんじゃないかと思っていた。
「俺は……戦える気がしなかった」
「え……」
不思議なほど素直に、弱音が口をついた。信じられないという顔で、三和がこちらを見ている。
「VFサーキットで……お前が見ていないときの話だ。会場でやったファイナルの前、俺は蒼龍レオンに敗れて、……アイチは、それを越えて行った。そのときからずっと、俺はあいつに、やけに遠くに行かれた気がしていた」
あのファイトを知る人間がごくごく限られていたことに、今になって櫂は思い至る。自分が負ける姿を知る者は、何故だかいつでも数少ない。
寝耳に水とばかりに、三和がうろたえる。
「……け、けど、それならなんでこの部活入ったんだ? VF甲子園出ようっつったときだって、そんな風には全然……」
知らずに追いつめたとでも思ったのだろうか。そんな三和に、気にするなと櫂は続ける。
「俺自身気づいてはいなかった。いや、認めたくなかった。動揺している自分を認めたくなくて、逃げるものかと意地になって。……俺はお前達の熱意に、自分の弱さを隠したんだ」
アイチと戦いたいという井崎に手を貸したのも、半分はそれが理由なのかもしれなかった。純粋にアイチに挑戦したいと言える、そんな井崎が眩しかった。井崎に対して、誓って後ろ暗い思いなど無かったけれど――それでも今になってしまうと、チームだから当然という言葉が、言い訳めいて聞こえてしまう。自分が持て余した思いを、井崎に勝手に託していた。
そんな櫂の内心をどこまで読み取ったのか。
幾分落ち着きを取り戻した三和が口を開く。
「……事情は、だいたい分かったけどさ」
困惑した表情で、三和はこう切り返した。
「……あんま気にすることないんじゃねえ?」
そういなされるとは思わずに、今度は櫂が意表を突かれる。
三和も考えがまとまっているわけではないのか、ちょっと待てよと右手で制した。
「あーっとこれは俺達の話な。別にお前の弱さの隠れ蓑にされたどうこうは、実害なかったし。ってゆーかお前それであの強さとか普通に意味わかんねえよ? 結局負けたの俺達でお前は勝ってるしさ」
「それは……」
「お前にとっては、そういう問題じゃねえんだろうけど」
相変わらず不器用な奴だと、呆れたように三和が苦笑する。三和の切り分け方は多分正しくて、櫂は何も言えなかった。
仕方ないなと、眉尻を下げて三和は櫂に告げる。
「あのさ、ねーちゃんに言われたんだよ。あんたたち、たまにはちゃんと話とかしてる? って」
「………」
渋い顔で櫂が黙り込む。しているとは決して言えないことは、さすがに櫂も承知しているらしい。ついでに言えば、必要ないとも言い切れないらしかった。
三和としてもそこで釘を刺されなかったら、ここまで突っ込んでは聞かなかったかもしれない。それくらいには櫂を――櫂と自分を過信していた。
「俺達のことは気にすんなよ。それが言い訳だってお前も思ってるんだろ? お前が今行かなきゃなんねーのは、確かに部活じゃねーよ」
「……三和」
「ってなわけで、俺は部室戻るわ。邪魔して悪かったな」
そう言って、三和は席を立つ。呼び止める理由もなくて、櫂は見送るばかりだ。
教室のドアまで来たところで、三和は櫂を振り向いて言った。
「そうそ、サボりはちゃんとつけとくから、安心しろよな」
お前の居場所はあるんだと、ウインクつきで笑った三和に。
櫂は目をしばたたかせる。
一呼吸置くと、この時間の全てが腑に落ちて、櫂は簡潔に答えた。
「分かった」
ごちゃごちゃした迷いがひとつ、確かに消えていた。
つづきたい。
Я櫂VS三和は、というか主にそこに至るまでの会話は、私が諦めたものがちゃんとあるんだと教えてくれる貴重な話でした…。え、なんで諦めたんだって?はははノーコメントで。
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