リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
スイコさんのリバースをスイコ→櫂でイメージしようとしたのに予想外にまっとうにスイコさん話になりつつあるんですがどう続けたらいいんだこれ(主にファイト的な意味で)
櫂くんがリバースした直後に、エージェントとファイトしてリバースする設定です。最初は本編と辻褄あうようにもうちょっと考察してからとか思ってたんですがめんどくさくなったのでもう投げて好き勝手やることにしました\(^o^)/
櫂くんがリバースした直後に、エージェントとファイトしてリバースする設定です。最初は本編と辻褄あうようにもうちょっと考察してからとか思ってたんですがめんどくさくなったのでもう投げて好き勝手やることにしました\(^o^)/
Heartbreakingly Straight
「遅いわね……」
手にしたカップをソーサーに置いて、スイコは呟いた。テーブルにあるもう二つのカップは手つかずのままで、注がれたコーヒーはすっかり冷めてしまっている。タクトと櫂が書斎に消えてから、長話と言うにも長すぎる時間が経過していた。
(様子を見に行ったほうがいいかしら)
スイコが席を立ったちょうどそのとき、件のタクトが姿を現した。
「話は終わったの? 櫂トシキの姿が見えないけれど……」
俯くようにしていたタクトが、スイコを振り返る。いつもの穏やかな顔で、タクトが言った。
「それなんですが、疲れがたまっていたのか彼が倒れてしまって。すみませんが、少しベッドを貸してあげてくれませんか?」
「え? ええ……」
普段通りのタクトの表情からは、櫂への心配のようなものは微塵も感じられない。違和感に戸惑いながらも、スイコは彼の指示に従う。メイド達を連れて書斎に入ると、タクトの言う通り、気を失った櫂が倒れていた。ぐったりとした櫂の顔からは血の気が引いていて、生気がほとんど消えてしまっている。ゲストルームへと運ばれる間にも、櫂が目を覚ます気配はなかった。ただならぬものを感じて、スイコは深刻な表情でその様子を見つめる。
(何があったの?)
櫂がこの立凪を訪ねてくるなどと珍しいこともあるものだと思ったけれど、タクトはその訪問を予想していたようだった。何の用か分からずに制服の話題を振ったらどうでもいいと切り捨てられてしまったけれど、今にして思えば、レンから聞いた昔話――中学時代の彼は、あれで結構レンの突拍子もない思い付きにも律儀にツッコミを入れてくれたらしい――を踏まえれば、あれは櫂が何か真剣に考えていることがあるときの反応だった。
彼女たちに櫂の介抱を任せて、スイコはタクトの元へと向かう。
「何が起こっているの?」
不審な状況を訝しんで、厳しい目で問いかけたスイコに、その視線を受け流しながら、面白がるようにタクトは答える。
「君はもう少し従順な子かと思っていたけれど、そんな目もできるんですね」
「タクト……?」
問われた名に、タクトは――タクトの顔をした者は答えない。
「いいでしょう、教えてあげます。何故彼がここに来たのか、そして彼に伝えたこと、彼に起こったこと、全てね」
瞳に浮かぶ愉悦の色。それは、スイコがどこにも逃れようがないことを知っている主(あるじ)の恍惚だった。
* * *
「……というわけで、彼は晴れてリバースファイター達の始祖になったというわけです」
にっこりと、めでたしめでたしとでも言うようにタクト――いや、虚無の代理人、エージェントは笑った。タクトを含め自分たちが備えていた相手によるタクトの乗っ取り、櫂トシキの呪縛。予想だにしない展開に、スイコは言葉を失う。
「始祖へのリバースは彼の体には少し負担が大きかったようですが、心配はいりません。リンクジョーカーを使いさえすれば、ファイター達のエネルギーは彼にも流れ込むことになる。……いいえ、違いますね、リンクジョーカーを使わなければ、彼はもう立ち上がることさえできない」
狂喜の滲む声で朗々と謳いあげられる、絶望の未来予想図。歪んだ笑顔で、エージェントはスイコに語りかける。
「僕はこれから立凪タクトとして、櫂トシキを要(かなめ)に地球のファイター全てをリバースさせます。……君も、手伝ってくれますよね?」
惑星クレイと地球の未来を守るため、来たるべきヴォイドとの対決に備えていたタクト。そのためにウルトラレアの三人はタクトにコールされ、役目に必要な記憶以外を封じられていた。
スイコにとって、タクトの命令は絶対だった。どうしようもないことを深く考えても仕方ないと、どこか健気に明るく振舞っていたレッカや、やり方の横暴さに反発を持ち、結果的に単なる歯車以上の働きさえして見せたコーリンとは違う。どんな資質の違いかは分からないけれど、スイコは当然のように、タクトから与えられた運命を受け入れた。目の前のエージェントがタクトだというのなら、確かにスイコなら――かつてのスイコなら、タクトの反転さえも呑み込んだかもしれなかった。
けれど――
「……お断りするわ」
俯いたまま、低い声でスイコは宣言する。
きっ、と顔をあげると、覚悟を決めてスイコはデッキを構える。
「へえ……?」
面白がるように呟いたエージェントに、怯みは感じなかった。
「全てはカードの導きのままに。私に協力させたいなら、ファイトで勝ってからにしてもらうわ」
与えられた使命を執行するだけの機械でいられた昔とは違う。PSYクオリア能力者を探してたくさんのファイター達を見てきた。その中でレッカは友達に憧れ、コーリンは先導アイチに惹かれた。先導者を選ぶ戦いを越えて、タクトは三人に立凪の姓を与え、普通の学生としての生活を与えてくれた。それは能力者を監視する役目の一部ではあったけれど、それだけではないことくらいスイコも理解はしていた。そうして福原高校ヴァンガード部で、束の間の平和な時間を過ごしたせいも多分にあるのだろう。
(戦ってみたくなった。自分の運命を自分で勝ち取るために。レンくんが、アサカさんが、テツくんが、アイチくんが……櫂トシキが、そうしていたように)
スイコが睨みつける先で、エージェントは愉しげに嗤う。
「いいでしょう。ちょうど面白いデッキが誕生したところです。きっと君に似合いますよ」
「言ったでしょう? それはカードで証明して頂戴」
「もちろん、そのつもりですよ」
タクトが手のひらをかざすと、赤と黒のファイトテーブルが浮き上がってくる。
自らの運命を託したデッキを、そのフィールドにセットした。
(あなた達はいつも、こんな風に戦っていたの……)
相手の力を試すためだけのファイトとは違う。自分の存在を懸けて戦えばこそ、奥底から湧きあがる高揚感。それを今は、悠長に味わうわけにはいかないけれど。
「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」
「希望の子(ホープ・チャイルド) トゥルエル!」
「マイクロホール・ドラコキッド」
ヴァンガードとして惑星クレイに降り立つイメージ。スイコはそれを、今初めて知ったのかもしれなかった。
To be continued?
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