リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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櫂くん誕生日おめでとう!LJ編踏まえてLM編が解決した後を想定しつつ微妙に違うような気はしつつ、チームQ4と三和くんが櫂くんのお祝いして帰ってきた後のシンさんと櫂くんです(何故)ネタ出し昨日で地の文足りないポエム系ですみませんorz絵が描けたらなあ…。
ともあれ………櫂くんみんなと幸せになって!!!!!!タイトルをWould you marry me?にしかけたのは秘密です。この場合「you」は複数形で扱います。櫂くん全世界と結婚しろ。

「こんにちは!」
 しゅいーんという音で開いたドアの向こう、アイチを先頭に櫂、三和、カムイ、ミサキが入ってくる。
 Q4プラス一名が勢ぞろいなのは、櫂の誕生祝いに皆でファミレスに行ってきた帰りだからだ。
「いらっしゃい、どうでしたか?」
「楽しかったです」
「コイツやっぱり無愛想だったけどな」
 満足そうに笑顔で答えるアイチの横で、笑いながらカムイが櫂を小突く。
「贅沢を言うな」
「櫂の愛想かー高くつきそうだな」
 言葉ほどトゲの無い声で返す櫂に、三和はけらけらと笑う。
 ミサキは店内を確認してカウンターに告げる。
「シンさん、店番まだ任せてもいい? この後ファイトするって」
「ええ、大丈夫ですよ」
 そう言っている間にも、櫂とアイチがファイトテーブルについている。櫂にとっては一番の誕生日プレゼントなのだろうなと、シンはその様子を見守る。

「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!!」」
 
 * * *

  櫂をメインに一通りファイトが回ったらしく、シンの耳に「次はお兄さんと!」というカムイの声が届く。ギャラリーに回った櫂は椅子に腰かけて少し遠巻きに 二人のファイトを見ながら、こっそりと微笑みさえ垣間見せる。その隣に立って、櫂と同じように二人のファイトを見ながら、シンはこう言った。
「楽しそうですね」
「そうだな」
 さらりとそう相槌を打った櫂が、ワンテンポ遅れてシンを振り向くと、気まずそうに視線をそらす。
「どうしました?」
「いや……」
 そのまま口ごもってしまった櫂と二人、無言でアイチとカムイのファイトを観戦する。こんな無言が苦にならないのは、多分に櫂の特性でもあるのだろう。
 不意に、何かが腑に落ちたように、櫂が口を開いた。
「あいつらと会えてよかった」
 思いっきり驚いている内心を漏らさないようにしながら、シンは無言でその先を促す。
「あいつらと一緒なら、少しはマシな人間になれる気がする」
「…………」
  ここ暫く、ヴァンガードを巡って起きていた不穏な事件をシンは思い出す。傍らでサポートに徹していたシンは、彼らに何があったのか具体的なところを知って いるわけではない。それでも、櫂が修羅場と呼べる代物を潜り抜けてきたことは、端的過ぎる言葉と、落ち着きすぎた声に表れている。
 冷静すぎるくらいの思いを包み込むように、シンは優しく言った。
「君はもともと良い子ですよ?」
 不思議なほど隔たりの無い空気の中で、櫂の戸惑いがダイレクトにシンに伝わってくる。
「……どうだろうな」
 そう言って櫂は苦笑した。素直に頷けないけれど、否定もできない。それが今の櫂なのだろう。
 吹っ切れたように櫂が席を立つ。もう少し近くへ、そんな雰囲気で前へ踏み出す櫂の背中に、そっと胸中で囁いた。
(櫂くん、誕生日おめでとうございます)

 * * *


“君はもともと良い子ですよ?”

 そんなのは嘘だと櫂は思う。誰とも一緒にいない自分が、何もかもどうでもいいと、全て切り捨てて強さだけ求められることをもう知ってしまった。

 だけど、それを嘘にしたくない自分もいるから。
 もう少しだけ優しくなれたらいいと、全てを詰め込んだデッキでファイトに挑む。

「もう一度だ、アイチ」
「……うん!」

 弾けるような笑顔に、それをとりまく仲間達に、今この空間に満ちている思いを噛み締める。
 どうか二度と、失うことのないように。

「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!」」

 繋いだ手は、離さない。


 fin.
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K玲(仮名)のハンドルで主にヴァンガードSSを投稿しています。日記に載せたのを後日修正転載が基本。
pixivからこのサイトにはリンク等を貼っていません。あんな大手SNSからこんなコアなサイトに直接飛べるようにする勇気無いです\(^o^)/
あと最近転載しているTwitterはpixivのプロフから飛べます。非公開中です。なんでそんなめんどくさいことしてるんだなんて聞かないであげてください。コミュニティごとに人格切り替えないとパニックになるタイプなんだよ!!(明らかに最初にpixivとHP切り離したのが敗因)

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