リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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これの続きでまだまだ未完。アサカに百万回土下座して三和くんにはおいしいものをおごりたい展開になりました\(^o^)/
最初はアサカとレンを女友達みたいにしようかと思ってたけどさすがにそこまで都合よい存在にしたらアサカに失礼かな…ってなって結局…(遠い目)ぶっちゃけアサカのシーン十行もないんですが本筋と全く関係ないところで色々捏造しています。
三和くんは櫂くんとナチュラルに同居しています。相棒だもの。
追記:レンとアサカの別れ話加筆しました\(^q^)/アサカに土下座百万回じゃ足りんかもしれん。櫂くんとレン様が高3時のVF地区大会の結果とか捏造してます。ライバル後江って言ってたから福原は負けてる…でいい…?


 夜も更けたというのに、福原高校ヴァンガード部のファイトルームには明かりがついていた。
「銀の茨の竜女皇(シルバーソーン・ドラゴンエンプレス) ヴィーナス・ルキエに、クロスライド!」
 モーションフィギュアシステムのファイトシミュレーションモード。立ちはだかるヴァンガードは、ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド。AIの使用デッキはかげろうのようだった。
「ヴィーナス・ルキエの、リミットブレイク!」
 アサカの全身に気迫が漲っている。何かを振り切るようなファイトだと思ったのは、あるいはレンの感傷でしかないのかもしれない。
 数年前の彼女との別れが、レンに蘇る。

“私では、レン様の一番にはなれないんですね”

 泣き笑いの表情で彼女はそう言った。VF甲子園地区大会準決勝でレンが櫂に敗れ、予選敗退を喫した日のことだった。周囲からは息詰まるファイトだと絶賛されたけれど――戦っていた櫂本人と、テツやアサカにはバレてしまった。余裕ぶれる相手ではないにしろ、真面目になり過ぎたこと。ファイトの後、テツにらしくなかったと言われながら、同じことを思っているだろう櫂の方を見ることができなかった。
 すみません負けちゃいました、せっかくアサカが勝ってくれたのに。二人きりになった控室で、レンはいつものように笑って言ったつもりだった。けれどそれを聞くアサカは暗い顔で俯いたままで、重い口を開いて言ったのだ。レン様の一番にはなれないんですね。
 傷ついた声にレンがはっとすると、自ら形にしてしまった言葉に、アサカの瞳から涙が溢れた。拭っても拭っても途切れない涙に、謝罪の言葉を繰り返して立ち去ろうとしたアサカを、レンは有無を言わさず後ろから抱きしめた。

“……っ、離して!”
“嫌です”

 我儘な口調こそ変わらなくても、レンの声に本心を隠した軽快さは跡形も無かった。

“レン様には、私より……っ!”
“……それでも、今はこうさせてください。今の君を、一人きりにしてしまいたくないから……”
“……っ、ひどい、人……っ”
“……本当にね”

 どこまでも残酷な行為だと知っていた。それでもレンは、アサカが一人で泣くことを許さなかった。
 追憶に背中を押されて、レンは踵を返す。完璧に終わらせることを選んだレンに、今、アサカに声をかける資格などあるはずがなかった。

 * * *

 戸の開いた音がして、家主が帰ってきたかと三和はそちらに顔を向けた。慣れた気安さ故の楽さと安心感で、今は櫂と半分同居している。
「お帰りー……って、大丈夫か?」
 帰ってきた櫂は、やや気分が悪そうに俯いて額を押さえている。
「飲み過ぎた」
「珍しいな、そんなに盛り上がったのか?」
 言いながら三和は酔い覚ましにとコップに水を用意する。とりあえずと壁を背にへたりこんだ櫂が、うなだれたまま答えた。
「レンに告白された……」
「えっ」
 空気が止まる。思考停止の分だけ、三和が硬直する。しかし既にお手上げ状態の櫂は、これ以上何を言っていいか分からない。
 戸惑いつつも水を渡して、三和が聞き返した。
「……マジでか?」
「ああ……」
「ずいぶん今更だな」
「……は?」
 櫂は耳を疑って思わず顔を上げる。眉間にしわを寄せて絞り出した。
「いま、さら……だと……?」
 頭がガンガンする。ろくにものも考えられないのに、二つも三つも予想外のネタを振らないでほしい。
「うん……いや、話は後だ、とりあえずそれ飲め」
「ああ……」
 渡された水の冷たさが心地良い。一杯飲み干してしまうと、少し余裕が戻ってくる気がした。空になったグラスを預けて、櫂は聞き返す。
「何故、お前が知ってるんだ……」
「知ってるっつーか……なんとなくそんな感じしてたんだよ、高校の時から」
「……それで、今更?」
 櫂のほうが質問している状況に、三和は質問で返す。
「本人から何も聞いてねえのか?」
「レンも言うつもりじゃ無かったんだ……。多分、あいつも混乱して……詳しい話は、せずに帰ったから、俺は」
「……わけわかんなくて更に飲んだのか」
 櫂は無言でそれを肯定した。
「……俺が知ってるのは、あいつがお前のこと独占したがってたってことだけだよ」
「……記憶にない」
「お前は気づいてねえなとも思ってた」
「そうか」
 もうこの件については全面的に三和を信じる。櫂がそう決めた瞬間だった。
(好き……だった? ずっと?)
 重い頭で記憶を手繰り寄せれば、高校よりもさらに前、中学の頃のレンまでたどり着いてしまう。胸に刻まれていたイメージが、ニュアンスを深めていく。

“櫂、僕は、強くなったでしょう……?”

(お前は……あの時、もう……)
 ――そのまま櫂の思考は途切れてしまう。
 櫂が眠ってしまったことに気付いて、三和は毛布を持ってきて櫂にかけてやる。
 しゃがみこんで、悩ましげな寝顔にそっと独りごちた。
「……お前がしんどそうにしてるのは、あんま見たくねえんだけどな……」


 To be continued...?
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