リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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LJ編~LM編の間で薄暗い感じのアイ櫂ピロートーク。というかアイチモノローグ。描写はたいしたことないですがいたしてるのでR-15でお願いします。急にこんな話降って湧くとか私つかれてるのだろうか…。
タイトル使い回してますがとくに繋がりはないです。



 ※R-15※














 一人で暮らす自分の部屋に、アイチを通したのは初めてだった。
「どこにも行かないよね」
 部屋に入るなり櫂に抱きついて、顔をうずめたまま聞いてきたアイチに、櫂は撫でるように腕を回して言った。
「ああ。どこにも行かない」
 Яしていたとき、「お前達の前から永遠に消える」と、櫂は確かにそう言った。その記憶はどこか現実味がなくて、まるでもう一人別の自分が言ったような感覚だけれど。
 「君が間違ったときは僕が止める」、そう言ったアイチもまたそうなのかもしれない。本当はそんな強さはなくて、その裏には、喪失の恐怖が隠れていて。
 不意に顔をあげたアイチと、目があった。挑むような、迷うような、微かに暗い光を見た気がしたけれど。
「……っ」
 深く考える暇もなく、貪るように口づけられていた。
「……は、アイ……ッ」
 戸惑いこそすれ嫌悪は感じなかった。だからうまく抵抗できずに、徐々に深くなる舌の浸入を許してしまう。
 櫂の口腔をひとしきり味わって、アイチは唇を解放した。二人同時に、熱い息を吐く。
 離れていった舌に引かれた唾液を、櫂は手の甲で緩慢にぬぐった。
「……な、にか、言って」
「……え?」
 俯いたまま呟くアイチに、櫂は答える言葉を持たない。
 躊躇いがちに顔をあげたアイチが、ぎこちなく尋ねた。
「嫌じゃ、ない、の?」
 櫂はゆっくりと小さく頷く。
 気遣わしげに、けれど確かにのしかかってくる体重に押されて、床に背をつけた。
 アイチの表情が逆光に翳る。
「最後まで、行こう」









 本当に最後まで繋がれるようになるには、幾度かの時間が必要だった。痛みも快楽も共有して、夜の闇に微睡む。
 櫂には不似合いなほど甘くけだるい空気だと、薄く笑いながらアイチは囁いた。
「……やっぱり、リンクジョーカーは許せないな……」
「……アイチ」
「櫂くんを責めてるわけじゃないよ」
 アイチの意図を読みあぐねて、櫂は黙りこむ。
「君が選んだのは、罪を白日に晒すこと……」
「……そんなんじゃない」
 悔いるように、櫂は視線をそらす。
「そうかな」
 僕は違わないと思うけど。否やの言葉を呑み込んで、アイチは自嘲気味に笑った。櫂は潔よすぎる。全て自分が悪いんだと、誰を頼むでもなく不利なロジックを自ら組み立てる。
 アイチに言わせれば、リンクジョーカーは罪の可能性を暴き出した。目覚めないかもしれなかった可能性まで。
(君が選んだのは、罪を白日に晒すこと。……誰にともなく。僕が君を止められたのは……君の気持ちを知れたのは、リンクジョーカーが君を罠に嵌めたから)
「……やっぱり、許せないよ」
「アイチ」
(リンクジョーカーのお陰で、今こうしていられるなんて)
「櫂くん」
 噛み合わない気持ちを知りながら、アイチはねだるようにその名を呼んだ。
「もう一回、したいな」
「……来い」
「うん」
 何も分からなかった初めてのときとは違う、馴れた優しさで口づける。これも何かの罰だとか、櫂が考えていなければいい。そう思うことさえ自分の弱さだと、アイチはもうとっくに知っていた。


 * * *


 リンクジョーカーを許せないのは、君を唯一支配できる罪と罰に嫉妬しているから。
 今だって君は、僕のものになどなりはしない。
 君は永遠に孤高のまま。

 ――だから。


 僕の形を君に刻んで、君の前から姿を消す。 


 World's End Syndrome―世界の果て症候群


(僕は全然、綺麗なんかじゃない)



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