リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
エイプリルフールに勢いでなりきりしたとこから湧いた話。ヴァンガ0組で三和誕したはずが伊吹にスポットを当ててしまって大変すまなかった。
「……見るがいい」
す、っと、櫂の右手が空中で弧を描く。振りかけられたのはグラン・マルニエ。
「この世の全てのものを焼き尽くす、黙示録の炎!」
テーブルの上、真っ白な皿に乗ったクレープが炎に包まれる。世に言うフランベというやつだ。
炎は数秒で溶け消え、黄金色(こがねいろ)の生地から甘い香りがたちのぼる。
「……クレープシュゼットだ。心ゆくまで味わうといい」
「おお!」
真の姿を解放されたデザートに、三和は目を輝かせた。
「いっただきまーす! ……んー、いいねえこのほろ苦いカラメル。これフランスで練習したのか?」
「ああ、せっかくの本場だからな」
そう答える間にも、櫂は隣の皿で同じように炎を起こす。
「お前、こんなことまでできるのか」
そうコメントしたのは伊吹だ。今日は幼馴染み三人、三和の誕生日を祝うために伊吹の家に集まっていた。場所が伊吹の家なのは、最も好き勝手できる家を選んだ結果だ。フランベの材料はもちろん櫂が持ち込んだ。
「お前のほうは、本当にほとんど料理しないようだな」
「ま、最低限だな」
少し借りれば、台所に道具が揃っていないのは分かる。それも事前にリサーチして、必要なものは櫂が自前で揃えたわけだが。
「伊吹も櫂に習ってみろよ、結構面白いぜ。卒業試験はカレーな」
「卒業試験?」
こだわりがあんだよ、と三和が笑った。櫂が瞑目して答える。
「飴色に炒めた玉ねぎは、ルーにコクを与える」
ぷっと、伊吹が吹き出した。
「なるほど、一筋縄ではいかなそうだな」
「今日は部屋貸してくれてサンキュな、伊吹」
「たいしたことじゃない。誕生日おめでとう」
「もう聞いたって、ありがとな」
からからと笑う三和に、伊吹は微かに神妙なそぶりで答えた。
「……こっちのセリフだ」
「え?」
「……お前達と、自分の部屋でこうしているのが、嘘みたいだと……そう言ったら怒るか?」
きょとんと、三和と櫂が似たような顔をする。一瞬視線を見合わせると、同時に破顔した。
「嘘じゃないぜ!」
力強く答えた三和に、伊吹も微笑みで答える。
「そうだな」
「腹ごしらえしたところで、どうだ?」
そう言って櫂は、使い慣れたデッキをかざす。
「受けて立とう」
迷いなく答えた伊吹に、三和が茶々を入れる。
「おーい今日の主役俺なんだけど」
「心配するな。とっておきのファイトを見せてやるさ」
心得ていると伊吹が答える。それにまだまだ、時間はあるのだ。
「へへっ、期待してるぜ!」
すたん、と、二つのデッキがテーブルにセットされる。
「「スタンドアップ! ザ・ヴァンガード!!」」
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あと最近転載しているTwitterはpixivのプロフから飛べます。非公開中です。なんでそんなめんどくさいことしてるんだなんて聞かないであげてください。コミュニティごとに人格切り替えないとパニックになるタイプなんだよ!!(明らかに最初にpixivとHP切り離したのが敗因)
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