リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
山姥切国広×乱藤四郎のつもり。あえてBLにしようとは思っていなかったのに乱くんの真剣必殺がカッコよすぎてやってしまった。
本命を左に置くのは単なるマイナー以上に茨の道だとあれほど
タイトルはつけようかとも思ったんですが、「I can't stop my love for you」とか年齢もバレそうならずいぶんお花畑なタイトルしか思いつかなかったので没にしたといういきさつがあったりします\(^o^)/
本命を左に置くのは単なるマイナー以上に茨の道だとあれほど
タイトルはつけようかとも思ったんですが、「I can't stop my love for you」とか年齢もバレそうならずいぶんお花畑なタイトルしか思いつかなかったので没にしたといういきさつがあったりします\(^o^)/
「ねえ」
陽気そうな声が山姥切国広を呼び止めた。振り返ると、女子と見紛うばかりの少年がいる。乱藤四郎。藤四郎達の中でも珍しい乱れ刃からその名がついたという短刀の少年は、総じて生真面目そうな兄弟達の中では少々変わり種なのも事実だった。一目見て受ける明朗な印象と、見え隠れする陰りの気配。裏表を感じさせない藤四郎達の中で、その二面性は不思議な魅力となって彼を浮き立たせる。
そんな少年が、澄ました顔で上目遣いに国広を覗き込んだ。
「だいぶたまってるねお兄さん? ボクと乱れちゃう?」
目深に被った布陰に視線を隠して、国広はいつも通りのぶっきらぼうさで言った。
「……からかうな」
乱は心外そうに口をとがらせる。
「からかってなんかないよ」
「本気ならなおさらやめろ……」
ため息をつくような言葉に、けれど乱は声を弾ませる。
「あれ、本気にしてくれるの?」
「それは俺の決めることじゃない」
「本気ならいいの」
乱の冷やりとした声に視線を惹かれて、二人の眼光がぶつかる。乱のつぶらな瞳に、挑発的な光が宿るのが見えた。真剣な顔と無表情と、睨みあうような緊張感が流れる。
先に目をそらしたのは――瞬きで視線を外したのは、国広のほうだった。
「……言っただろう、からかうな」
そう言って、乱の頭に手を置く。なでなでされている、と乱は思った。
その手のひらのせいで、勢いが殺される。
「……からかってないってば」
「どうだかな」
(あ……)
光の加減と言われればそれまでかもしれない。それくらい微かに、国広が笑った気がした。
乱の頭上に置かれていた手が離れていく。
「帰ってきたばかりで疲労もあるだろう、お前もちゃんと休め」
国広の言う通り、今は二人とも出陣からの帰りだった。だから一緒にお休みしようって言ってるじゃないか、とかなんとか食い下がることは、乱にはもうできなかった。これ以上茶化しても、からかうなと繰り返されるだけだ。
「……わかったよ」
渋々というように、乱はくるりと踵を返す。けれど数歩の先、踊るように振り返って、片眼を閉じた極上の笑顔で言った。
「それじゃ、遊ぶのはまた今度ね、隊長さん」
口許に添えた人差し指は、約束だよとも、内緒だよとも言っているようで。
そのまま駆けていった乱を見送って、国広は内心頭を抱えていた。
* * *
自室へと走りながら、乱は早鐘のように鳴る鼓動を感じていた。気づかれなかったはずだ。完璧に笑って見せたはず。不安と、緊張と、達成感と、その全てが乱の鼓動を走らせる。
『俺は、俺だ』
出陣の最後、敵を討った手ごたえを確かめるように、噛み締めた声を聞いた。
からかってなんかいない。冗談なんかじゃない。
それさえ全部受け止めて、突き放されてしまったけれど。
(ボクは、本気だよ)
胸に手を当てて、誓うように心に刻む。
――そんなあなたを、抱きしめたいと思いました。
終
20150607
陽気そうな声が山姥切国広を呼び止めた。振り返ると、女子と見紛うばかりの少年がいる。乱藤四郎。藤四郎達の中でも珍しい乱れ刃からその名がついたという短刀の少年は、総じて生真面目そうな兄弟達の中では少々変わり種なのも事実だった。一目見て受ける明朗な印象と、見え隠れする陰りの気配。裏表を感じさせない藤四郎達の中で、その二面性は不思議な魅力となって彼を浮き立たせる。
そんな少年が、澄ました顔で上目遣いに国広を覗き込んだ。
「だいぶたまってるねお兄さん? ボクと乱れちゃう?」
目深に被った布陰に視線を隠して、国広はいつも通りのぶっきらぼうさで言った。
「……からかうな」
乱は心外そうに口をとがらせる。
「からかってなんかないよ」
「本気ならなおさらやめろ……」
ため息をつくような言葉に、けれど乱は声を弾ませる。
「あれ、本気にしてくれるの?」
「それは俺の決めることじゃない」
「本気ならいいの」
乱の冷やりとした声に視線を惹かれて、二人の眼光がぶつかる。乱のつぶらな瞳に、挑発的な光が宿るのが見えた。真剣な顔と無表情と、睨みあうような緊張感が流れる。
先に目をそらしたのは――瞬きで視線を外したのは、国広のほうだった。
「……言っただろう、からかうな」
そう言って、乱の頭に手を置く。なでなでされている、と乱は思った。
その手のひらのせいで、勢いが殺される。
「……からかってないってば」
「どうだかな」
(あ……)
光の加減と言われればそれまでかもしれない。それくらい微かに、国広が笑った気がした。
乱の頭上に置かれていた手が離れていく。
「帰ってきたばかりで疲労もあるだろう、お前もちゃんと休め」
国広の言う通り、今は二人とも出陣からの帰りだった。だから一緒にお休みしようって言ってるじゃないか、とかなんとか食い下がることは、乱にはもうできなかった。これ以上茶化しても、からかうなと繰り返されるだけだ。
「……わかったよ」
渋々というように、乱はくるりと踵を返す。けれど数歩の先、踊るように振り返って、片眼を閉じた極上の笑顔で言った。
「それじゃ、遊ぶのはまた今度ね、隊長さん」
口許に添えた人差し指は、約束だよとも、内緒だよとも言っているようで。
そのまま駆けていった乱を見送って、国広は内心頭を抱えていた。
* * *
自室へと走りながら、乱は早鐘のように鳴る鼓動を感じていた。気づかれなかったはずだ。完璧に笑って見せたはず。不安と、緊張と、達成感と、その全てが乱の鼓動を走らせる。
『俺は、俺だ』
出陣の最後、敵を討った手ごたえを確かめるように、噛み締めた声を聞いた。
からかってなんかいない。冗談なんかじゃない。
それさえ全部受け止めて、突き放されてしまったけれど。
(ボクは、本気だよ)
胸に手を当てて、誓うように心に刻む。
――そんなあなたを、抱きしめたいと思いました。
終
20150607
Comment form
ブログ内検索
カレンダー
カテゴリー
最新記事
(07/21)
(07/16)
(07/16)
(06/29)
(06/29)
最新コメント
[04/25 藍維那]
リンク
アーカイブ
アクセス解析
pixivID:1412017
K玲(仮名)のハンドルで主にヴァンガードSSを投稿しています。日記に載せたのを後日修正転載が基本。
pixivからこのサイトにはリンク等を貼っていません。あんな大手SNSからこんなコアなサイトに直接飛べるようにする勇気無いです\(^o^)/
あと最近転載しているTwitterはpixivのプロフから飛べます。非公開中です。なんでそんなめんどくさいことしてるんだなんて聞かないであげてください。コミュニティごとに人格切り替えないとパニックになるタイプなんだよ!!(明らかに最初にpixivとHP切り離したのが敗因)
pixivからこのサイトにはリンク等を貼っていません。あんな大手SNSからこんなコアなサイトに直接飛べるようにする勇気無いです\(^o^)/
あと最近転載しているTwitterは