リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
遊作は2期は草薙、3期はAiのため戦っていたので幻の4期は自分のためにAiに復讐として地獄の果てまでつきあってもらうぞでいんじゃねというコンセプトで書いたのにプロポーズになりました。本編程度の愛の告白を含みます。ほぼ会話。Aiはデュエルディスクで目玉してるイメージです。
■PlaymakerとAi
「え、あれ?」
「お目覚めのようだな」
「ちょ、なんだこのロック!?」
Playmakerのデュエルディスクには、以前の逃走防止とはまた違うロックプログラムが仕込んであった。
「悪いが自己消滅は無しだ。三度目の人質生活だな」
「なんで……!」
「Ai、一つ言いたいことがある」
冷ややかな空気を感じて、Aiは思わず目をそらす。
「ナンデゴザイマショウカ」
「よくもお前のとどめを俺に刺させてくれたな」
「そこ!?」
「他に何がある」
悪いとは思いながらそれしかないと思いつめた選択を一蹴されて、Aiは愕然とする。
「……っ、俺だって必死だったんだよ! 分かるだろ!?」
「それを否定する気は無い。だが、お前にとってシミュレーションがどんなにリアルでも、俺にとってはただのデータだ。実現するかどうかは、やってみなければ分からない」
「けど、俺はもうあんなの、したくも見たくもねえよ……!」
「現実なら起きてもたった一回だ。観念してつきあえ。消えるのはそれからでも遅くない」
「容赦ねえな!!」
「お前が育てた復讐者だからな」
そう言ったPlaymakerは、笑っていた。
「……っ」
「お前に復讐することに決めたんだ」
前を向いた横顔はあまりにすがすがしくて、Aiは言葉を失う。
(謝らせてもくれないのか、お前は)
遊作は自身の命はもちろん、ともすれば世界を危機にさらしても、Aiに命を捨てることを許さない。これは復讐。選べなかった自分の最期に、遊作をつきあわせたAiへの。
「……俺に、何させたいの」
「俺の相棒でいてくれ、ずっと。……俺と生きろ、Ai」
「遊作……」
「Ai、お前は言っただろう。意思を持つAIが人を見下すようになるのは必然だと。ならお前が消えたところで、いつか生まれる意思を持つAIと、人間はいずれ戦うことになる」
「それは……」
「だからお前は必要なんだ。勝手に消えてもらっては困る。お前には――救世主になってもらう!」
■遊作とAi
LINK VRAINSからログアウトした二人は、いつかの場所で海を眺めていた。
「救世主っていうけどさー……具体的にどーすんの?」
「問題を先送りにしている場合ではないようだからな。人間とAIの共存を、俺とお前で始める」
「えっ、あんなにその気なさそうだったのに!?」
「……お前、分かって言っているのか本気で言っているのかどっちだ」
ドスの効いた声で凄まれて、Aiは殊勝に謝る。
「スミマセンデシタ」
「分かれば良い」
遊作がその気がありそうな素振りを見せなかったのは、Aiが過去の干渉について言わなかったからだ。それを打ち明けてもらえない限り、気付いてしまっている遊作には、Aiを表立って認めるわけにはいかなかった。Aiの相棒として、対等でいるために。
遊作にできたのは、利害の一致を建前に、仲間と故郷を想うAiに協力することだけ。
Aiはバレているんだろうなと思いながら、そんな遊作に甘えていた。
「……ずっとそういうこと考えてたか?」
「なんのことだ?」
「俺が言ってることがほんとか嘘か?」
「そうでもない。お前は演技が臭い上に、大体のところはリンクセンスで分かるからな」
「そっか。……便利なようで不便だな~」
「……そうだな」
遊作は、相棒や友達と言われたがるAiの気持ちが本当だと感じたからこそ、過去については疑うようで聞けなかった。
Aiは、そんな風に遊作が優しいからこそ、利用して復讐者にしてしまったことが哀しくて言えなかった。
聞けなくて、言えなくて、二人は一緒にいたいと言えなかった。
「……ごめんな」
「何がだ」
「ずっと黙ってたこと……」
「俺が聞くこともできたんだ。……誰が悪いわけでもないだろう」
(やっぱり謝らせてくれないんだなコイツ)
遊作が飲み込んだ言葉が、Aiには確かに聞こえた。『イグニスとサイバース世界を、守れれば良かったんだがな』
(そんなのは、お前が気に病むことじゃないのに)
遊作がAiを責めないのは、遊作を利用した理由が、Aiが生きるため、故郷であるサイバース世界に帰るため、それを邪魔する敵を倒すためだったからなのだろう。それはそのまま、遊作が了見に授けられた三つの行動理念だ。
(出所がアイツなのちょっとムカつくけど、さすがは俺のオリジン様だよな……俺達似た者同士)
「お前考えすぎなんだよ! 頭良すぎ!」
「AIがそれを言うのか?」
AIは人間より遥かに優秀だと言った口でと、遊作はからかう。
「言ってやるよ、相棒だからな!」
「頼りにしている」
そう言って、遊作はささやかに笑った。
静かな瞳に、水面に輝くスターダスト・ロードの光が映り込む。
「なあ」
「なんだ?」
「……愛してるぜ」
いつか過去系で贈った言葉を、Aiは言い直す。
「……ああ。……俺もきっと……」
「……きっと?」
「……言いたくない」
「えーナニソレずるい!!」
「そのうちな」
今言いたくないのが照れなのかどうかすら、遊作のポーカーフェイスからは読み取れなかった。
そろそろ行こうと、遊作は立ち上がる。
「いいじゃん! もうほとんど言ってんじゃん!!」
「うるさい」
「あっそれ久々……って、今Aiちゃんがほしいのそういうサービスじゃない……!」
「黙れ」
(あーほんとにミュートしやがったこいつーーー!! 畜生もうこうなったら俺が言ってやる! 愛してる!! 愛してるったら愛してるぜ!! 遊作!!)
(聞こえてるんだがな……)
夜のしじまは、遊作にとってだけ、少し賑やかだった。
++++
最後聞こえてるのはミュートが外部音声のみだったでもリンクセンスでもなんでもいいです。
「え、あれ?」
「お目覚めのようだな」
「ちょ、なんだこのロック!?」
Playmakerのデュエルディスクには、以前の逃走防止とはまた違うロックプログラムが仕込んであった。
「悪いが自己消滅は無しだ。三度目の人質生活だな」
「なんで……!」
「Ai、一つ言いたいことがある」
冷ややかな空気を感じて、Aiは思わず目をそらす。
「ナンデゴザイマショウカ」
「よくもお前のとどめを俺に刺させてくれたな」
「そこ!?」
「他に何がある」
悪いとは思いながらそれしかないと思いつめた選択を一蹴されて、Aiは愕然とする。
「……っ、俺だって必死だったんだよ! 分かるだろ!?」
「それを否定する気は無い。だが、お前にとってシミュレーションがどんなにリアルでも、俺にとってはただのデータだ。実現するかどうかは、やってみなければ分からない」
「けど、俺はもうあんなの、したくも見たくもねえよ……!」
「現実なら起きてもたった一回だ。観念してつきあえ。消えるのはそれからでも遅くない」
「容赦ねえな!!」
「お前が育てた復讐者だからな」
そう言ったPlaymakerは、笑っていた。
「……っ」
「お前に復讐することに決めたんだ」
前を向いた横顔はあまりにすがすがしくて、Aiは言葉を失う。
(謝らせてもくれないのか、お前は)
遊作は自身の命はもちろん、ともすれば世界を危機にさらしても、Aiに命を捨てることを許さない。これは復讐。選べなかった自分の最期に、遊作をつきあわせたAiへの。
「……俺に、何させたいの」
「俺の相棒でいてくれ、ずっと。……俺と生きろ、Ai」
「遊作……」
「Ai、お前は言っただろう。意思を持つAIが人を見下すようになるのは必然だと。ならお前が消えたところで、いつか生まれる意思を持つAIと、人間はいずれ戦うことになる」
「それは……」
「だからお前は必要なんだ。勝手に消えてもらっては困る。お前には――救世主になってもらう!」
■遊作とAi
LINK VRAINSからログアウトした二人は、いつかの場所で海を眺めていた。
「救世主っていうけどさー……具体的にどーすんの?」
「問題を先送りにしている場合ではないようだからな。人間とAIの共存を、俺とお前で始める」
「えっ、あんなにその気なさそうだったのに!?」
「……お前、分かって言っているのか本気で言っているのかどっちだ」
ドスの効いた声で凄まれて、Aiは殊勝に謝る。
「スミマセンデシタ」
「分かれば良い」
遊作がその気がありそうな素振りを見せなかったのは、Aiが過去の干渉について言わなかったからだ。それを打ち明けてもらえない限り、気付いてしまっている遊作には、Aiを表立って認めるわけにはいかなかった。Aiの相棒として、対等でいるために。
遊作にできたのは、利害の一致を建前に、仲間と故郷を想うAiに協力することだけ。
Aiはバレているんだろうなと思いながら、そんな遊作に甘えていた。
「……ずっとそういうこと考えてたか?」
「なんのことだ?」
「俺が言ってることがほんとか嘘か?」
「そうでもない。お前は演技が臭い上に、大体のところはリンクセンスで分かるからな」
「そっか。……便利なようで不便だな~」
「……そうだな」
遊作は、相棒や友達と言われたがるAiの気持ちが本当だと感じたからこそ、過去については疑うようで聞けなかった。
Aiは、そんな風に遊作が優しいからこそ、利用して復讐者にしてしまったことが哀しくて言えなかった。
聞けなくて、言えなくて、二人は一緒にいたいと言えなかった。
「……ごめんな」
「何がだ」
「ずっと黙ってたこと……」
「俺が聞くこともできたんだ。……誰が悪いわけでもないだろう」
(やっぱり謝らせてくれないんだなコイツ)
遊作が飲み込んだ言葉が、Aiには確かに聞こえた。『イグニスとサイバース世界を、守れれば良かったんだがな』
(そんなのは、お前が気に病むことじゃないのに)
遊作がAiを責めないのは、遊作を利用した理由が、Aiが生きるため、故郷であるサイバース世界に帰るため、それを邪魔する敵を倒すためだったからなのだろう。それはそのまま、遊作が了見に授けられた三つの行動理念だ。
(出所がアイツなのちょっとムカつくけど、さすがは俺のオリジン様だよな……俺達似た者同士)
「お前考えすぎなんだよ! 頭良すぎ!」
「AIがそれを言うのか?」
AIは人間より遥かに優秀だと言った口でと、遊作はからかう。
「言ってやるよ、相棒だからな!」
「頼りにしている」
そう言って、遊作はささやかに笑った。
静かな瞳に、水面に輝くスターダスト・ロードの光が映り込む。
「なあ」
「なんだ?」
「……愛してるぜ」
いつか過去系で贈った言葉を、Aiは言い直す。
「……ああ。……俺もきっと……」
「……きっと?」
「……言いたくない」
「えーナニソレずるい!!」
「そのうちな」
今言いたくないのが照れなのかどうかすら、遊作のポーカーフェイスからは読み取れなかった。
そろそろ行こうと、遊作は立ち上がる。
「いいじゃん! もうほとんど言ってんじゃん!!」
「うるさい」
「あっそれ久々……って、今Aiちゃんがほしいのそういうサービスじゃない……!」
「黙れ」
(あーほんとにミュートしやがったこいつーーー!! 畜生もうこうなったら俺が言ってやる! 愛してる!! 愛してるったら愛してるぜ!! 遊作!!)
(聞こえてるんだがな……)
夜のしじまは、遊作にとってだけ、少し賑やかだった。
++++
最後聞こえてるのはミュートが外部音声のみだったでもリンクセンスでもなんでもいいです。
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