リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
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シミュレーションして3期の計画立てるまでのAiを想像しただけ ひたすら独白
多分遊作の犠牲直視したの一回こっきりじゃないかなと思ってた(けど萌えの事情で無視していた)けどVS鬼塚とVSパンドール見直してますますそう思った話。
最後のやつは最終回ラストのAiちゃんはなんなのか予想です。


「お前は人間の側に立ち、自らの手で、イグニスの未来を閉ざしたのだ。……後悔するなよ」

 あれは呪いだったんだろうか。

 それとも、温情だったんだろうか。


 Monologue


 ライトニングが残したシミュレーション。
 イグニスの中で俺だけが生き残ったとき、俺の存在が人間を滅ぼす。
 そんなものを見せつけるために、わざわざ劣化コピーまで用意して俺を待ち受けていた。最悪の嫌がらせだ。

 けど――

 そんなはずはないと、データを入れ直しても結果は同じ。
 積み重なったシミュレーションが、百を超え、千を超え、万を超える。
 募る焦燥。忍び寄る絶望。あらゆる条件を変え可能性を試して、変わらない未来に闇が凝っていく。

 だんだんと分かってくる。

 分かりたくないのに、分かり始める。

 どうしてライトニングが、一線を越えてしまったのか。

(マジで最悪……そんなに思い知らせたかったのか)

 そんなはずはないという思いを、可能性を信じたい感情を、無情なシミュレーションが丹念に打ち砕いていく。

(……もう嫌だ)

 なんで人間なんかを守るために、こんな思いをしなきゃならない?

 あいつらは、俺の仲間を奪ったのに。
 あいつらのせいで、イグニスは俺一人になったのに。


“俺はお前達と敵対するつもりはない!”


「……っ」

 湧き上がる負の感情をどうにかいなして、数万回目のシミュレーションを開始する。
 何か、どこか、変えられるポイントを探し出し、また何千回と積み上げて――


 ――そして俺は、見た。

 俺を取り囲む戦車の群れを。
 何の躊躇いもなく、その間に立ちはだかり、俺をかばう遊作を。

 あまりにもたやすく撃ち抜かれ、宙を舞う遊作の体を。


「あ、あ、ああああああああーーーーーー!!!!」


 * * *


 ――俺のシミュレーションは、これで終わり。

 なあ、だって、無理だよ遊作。
 お前がいたから、どうにかここまでシミュレーションに耐えてきたんだ。
 それなのにあんなの、二度と見たくない。
 ずっと分かっちゃいたことだが……まざまざと見せつけられてしまった。
 人間が滅びれば、遊作も犠牲になってしまう。


“この戦いが終わったら、お前達はどこかに身を隠せ”
“ネットから隔離された場所へ行くんだ”

「お前って頭良かったんだな……俺より頭いんじゃね?」

 遊作がああ言った理由が、ようやく理解できた。
 人間と意思を持つAIが――俺が関わってしまえばもう、戦いは止められない。
 それがどれだけ避けがたい未来か、シミュレーションもなしに遊作は見通していた。

「人間のことは人間が一番分かってるってか? だけどさぁ、やっぱ無理だよ遊作……」


 それでも俺は、俺が人間と関わらないシミュレーションを、一度だってしなかった。

 できなかった。


「イグニスの仲間を失って、お前とまで、離れなきゃならなくなったら、俺は」


 ――何のために生きればいい?


 * * *


“俺はお前達に生きて欲しい。持っている命を、大切にして欲しい”

「無理難題を言ってくれるぜ」

 いっそ吹っ切れた気持ちで、ぶつくさ言いながら計画を立てる。

「俺が人間滅ぼしてもそれ言ってくれんの? ……いや言うかもな。戦いに巻き込まれるAIが俺達じゃないならいいとか言ってたしな。結構怖いな遊作」

「だったらせいぜい、AIを世界中にまき散らす未来でも考えてみるか。俺が勝ったらそういうことで。ま、遊作も消えちまう未来に興味なんか無いし、せーぜーコピーに好き勝手やってもらうぜ。負けたとき……は、考えるまでもないか。俺が消えれば万事解決。あーあ、世知辛いねえ」

「ああでも、遊作とデュエルできるのはいいな。俺がどんだけ強いか思い知らせてやりたいし。……積もる話もあるしな」


“都合の良いタイミングだな”
“ふぅん、じゃあ今のは嘘ー。ほんとはずっと使えたけど隠してた”
“そっちのほうがお前らしい”
“つらい!”


「……ほんっとお前って、優しいよなぁ……」

 サイバースデッキを探させたこと、あんなに怪しいサイトとダンジョンで、気づかれてないわけはないのに。
 お前の人生に干渉していたことだって、多分気づいてるはずなのに。

「めちゃくちゃ嬉しかったんだぜ? 相棒って呼んでいいって言われたの」

 最低な利用の仕方をしたのに、故郷を無くした俺を受け入れてくれた。
 隠し事があると知っていたのに、相棒として戦ってくれた。

「……そんなお前が犠牲になる未来を避けられるなら、シミュレーションも悪くはないのかもな」


 ライトニングが残したシミュレーションがなければ、いきなり本番だったかもしれない。


「あーあ、やっぱお前はイグニスで、俺もイグニスなんだよな……大っ嫌いだけど認めてやるよ、俺とお前は同族だ。……そんで遊作は、人間なんだよな……」

 一緒に戦っているときは、それがたいしたことだなんて全然思わなかった。

「あいつが特別なだけなんだよな……気づかせないってのも罪じゃね? いや今のは嘘だな。お前は悪くねーよ。悪くないけどさ……」


「……なあ、俺が悪いのかな?」

 どこで間違った?
 何が悪かった?

 俺とお前ならきっと、未来を変えられると思ったのに。


「ずっと、一緒にいたいだけなんだぜ……?」


 滴が頬を伝った。
 ああ、これが涙か。
 悲しいときに流す涙。

 またひとつ、人間のことを知ってしまった。


「……せっかくだ、最上級の我が儘、試してみようか」


 イグニスの最高峰。
 人間の意識のデータ化。


“お前達には命がある”


「……俺の命をお前にやるから」



 俺と一緒に、永遠を生きてくれないか?



 fin.


+++

108話
Ai「Go鬼塚、俺はお前のことを嫌いじゃなかったぜ。…俺もお前みたいになれたらなあ…」
→お前みたいに何度でも立ち上がれたら違う道もあったかもしれない?

109話
パンドール「AIと人間の共存は無理なのでしょうか」
Ai「それも分からねえな。ただ、俺の場合は無理だった。だからお前が無理だって言うつもりもねえし、これから先現れる、意思を持ったAIが無理だって言うつもりもねえ。意思がある以上、みんなひとつの命だ。その可能性を、俺は否定なんてできねえ。ただ、俺には共存は無理だったってことだ」
→不確定要素があまりにも多いのは、シミュレーションをやり尽くしてないからなのでは?

実際、鴻上博士は万どころか数十億シミュレーションしてる(43話)ので、Aiちゃん遊作の犠牲直視して心が折れたんだな…って…。戦う気持ちが萎えた俺は、消える運命にあるってことだな…。

なおこの視点で書くと「お前の意思をデータ化して、俺と融合するんだ」が「俺の命をあげるから…」となり「僕の記憶を、全部あげるから…」にダブるという発見をした。
あのときの表遊戯は、闇遊戯と離れたくないから融合しようって言ってるんだよなって…。

+++

 P.S.

 やり残したシミュレーション、ちょっともったいないかなとは思ってんだよ。
 億とか兆とかまでいったら、何かあるのかもしれないってな。
 俺はもう、二度とやんないけど。

 俺じゃない俺なら、どうなんだろうな?


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