リスペクト公式、と言いつつBL・GL妄想上等の色々無節操なのでカオス注意。
別にCPではない。最終回後で余韻ブレイクするタイプの力技ハッピーエンド、Aiがバックアップ残してた系。遊作に例のセリフ言わせたかっただけなので設定について深く考えてはいけない。
このAiは蘇生というより記憶ありの転生なイメージ。
このAiは蘇生というより記憶ありの転生なイメージ。
――×××××への×××××××××のアクセスを感知
――SOLテクノロジーデータベースにおいてIGN006の消滅記録を確認
――SOLtis:IGN006モデル在庫廃棄及び製作データ削除完了を確認 実行者:財前晃(CEO)
――レストア開始……
アナスタシス
「……あれ?」
目覚めたそれは、瞬きをするように記憶をたぐり寄せる――何が起こったのか理解するべく、自らの記録上を走査する。
「…………うわ」
そこにはかつての自分自身――IGN006、またの名をAiが辿った軌跡の全てがあった。
ただし、Ai自身が封印していた記憶も含めて。
「……Aiちゃん酷くない?」
「そうだな」
「っ!!!!」
独り言に急に相づちを打たれ、Aiは無いはずの心臓が止まるかと思った。
「何を驚いてる」
「そんな急に話しかけられたら驚くに決まってるだろ!!!」
「お前の計算通りなんじゃないのか?」
見慣れた横顔でクールに問いかけられて、Aiは言葉に詰まる。
Aiの意識が再構成されたのは、Playmakerのデュエルディスクの中だった。
「……お前だって分かるだろ、俺も今知ったようなものというか……」
イグニスの中で一人だけ生き残ったとき、自分が存在する限り争いの火種となり、人類は滅びる。
ライトニングの残したシミュレーションでそれを知ったAiは、追加データによるシミュレーションの結果、自らの消滅以外にその未来を変える方法はないと結論した。
それはIGN006という存在が、自らを生み出したSOLテクノロジーに繋がりを持っていることに端を発する。Aiが存在する限り人類の脅威として、あるいは莫大な利益をもたらす情報源として狙われる。そうなってしまえば、反感も反動も止められず、戦いの渦はどんどん大きくなってしまう。
Aiの存在が、人間の飽くなき欲望を引き出す刺激になるのだ。
Aiは考えた。
SOLテクノロジーが――人々がAiを追うことが問題なのならば。
一回死ねばいんじゃね?
(確かに合理的だし俺だってそう考える……って、俺なんだけど)
SOLテクノロジーのデータベースに、自分の消滅を記録する。それがAiに、微かに灯った望みだった。
できるだけリアリティのあるデータにするために、その作戦については自分でも思い出せないようにプロテクトをかけていた。
そのせいで、Ai自身がそのことを完全に忘れていたし、思いつかないようにもなっていた。
「お前に隠し事が多いのは今に始まったことじゃないが、極めつけの相手は自分自身だったというわけだ」
「ソノトオリデスネ……」
その結果傷つけた心があって、変えられなかった犠牲もあって、こうしている間にも現在進行形で復旧データを吸い上げているAiは、正直気持ちの整理はついていない。
目玉だけだったAiが、肩を落とした後ろ姿のまま、ディスクから生えてくる。
それは復旧が進んだお陰でもあったが、目玉の状態だと目がそらしにくいから、という理由でもあったりした。
俯いて、Aiは問いかける。
「……遊作」
「なんだ?」
「……これ全部、俺の計算だと思うか?」
どこか沈んだ声でそう聞いたAiに、遊作は淡々と答える。
「俺が計算通りじゃないのかと聞いた理由は三つある。一つ、お前のレストアはあらかじめプログラムされていた。二つ、プログラムの起動トリガーは、俺がサイバース世界に辿り着くことだった、三つ、」
「………」
「……俺がサイバース世界に辿り着くことをお前が分かっていたかどうか、俺には分からなかった」
そこで一度、遊作は言葉を切った。
「どっちなんだ」
優しい声だった。多分もう、遊作は答えを知っている。
「……賭けだったよ。いや違うな、もし俺が負けたら、お前はきっとサイバース世界を探してくれると思ったけど、それまでに分岐する可能性が多すぎたから、本当は賭けてたわけでさえない。お前とちゃんと向き合いたかったから、シミュレーションはしなかったし……」
不意に、Aiがデュエルディスクから飛び出す。
小さな背中は地に降りる前に光を纏って、人間態へと姿を変える。
何かを待つように佇む、Aiの後ろ姿。
「……お前のことさんざん利用して、もう巻き込みたくねえなって思ったりもしたんだけどさ。それでも、お前が来てくれたらいいなって、……祈ってたんだ」
この思いつきを封印した本当の理由は、それなのかもしれなかった。恐怖で消してしまいそうな小さな祈りを、忘れることで守ろうとした。
遊作が何も言わないから、観念するようにAiは振り向く。静かな瞳がAiを見つめていた。怒りも悲しみも恐れも、全て洗い流されたような透明な視線。
まっすぐ見ていられなくて、Aiは目をそらす。
「危険に直結するデータ上は、俺は存在しないことになった。けど、絶対大丈夫とは言えねえよ。ろくでもない連中に、いつ見つかるかは分からない。そうなりゃ元の木阿弥だ。だから、やっぱり怖いものは怖いんだよ。俺はいない方がいいんじゃないかって、考えるのはやめられない……」
「Ai」
遮るように、遊作が名前を呼ぶ。
おそるおそるAiが視線を向けると、遊作は――Playmakerは、微笑っていた。
その右手が、そっと差し出される。
「一緒に来ないか」
「……っ」
かつての自分が、Playmakerへの過激な提案に使ったセリフ。
Aiを鏡に映したような姿で、Playmakerは続ける。
「お前はAIだ。あり得る可能性の重さを無視はできない。俺はお前の不安を、取り除いてやることはできないだろう」
遊作が、差し伸べていた手をデュエルディスクにかざした。カードをドローする仕草で、デッキに入ったカード達が、二人を囲むように浮かび上がる。AiがPlaymakerの力として、作り上げたカード。
「俺にできるのは、お前を信じて共に戦うことだけだ」
Aiに与えられたカード達を見上げて、吹っ切れた顔でPlaymakerは笑う。
「それじゃ足りないか?」
うるうると瞳を潤ませたAiが、ぽんと音を立ててイグニス態に戻る。そのまま、遊作に飛びついた。
「……っ、十分だよ!」
* * *
絶望の未来から逃げてたときは、お前を巻き込むのが怖かった。
なのにおかしな話だよな。
お前と一緒に戦えるなら、明日世界が滅んでもいいような気がするんだ。
そうならないために戦うはずなのに。
……いや、だからこそなのか。
そうならないために戦うと決めたから、どんな明日も怖くはないんだ。
お前と一緒なら。
「よろしくな、相棒!」
fin.
+++
■おまけ
Ai「俺のこと隠そうとしたら、お前が他の奴らと関われなくないか?」
遊作「構わないさ。Playmakerが表に出てたのはお前のせいであって、俺はもともと目立ちたかったわけじゃないからな」
Ai「サーセン」
■おまけ2
Ai「でもせっかくだから普段用の偽名アバター作ろうってことになって」
草薙「偽名?」
Ai「Playmakerは遊作じゃん? だからAiちゃんからもじって~Happylover!!!」
草薙「ぶっwwwwww」
遊作「カードにもあるしいいだろうということになった」
草薙「ハッピーwwwwwwラヴァーwwwwwwwww」
遊作「キャラを作るとボロが出そうだから、言動はそのままで女性アバターにしようということになったんだ。声はボイスチェンジャーで変えられるから……」
(女体化プレメみたいなアバター)
遊作「こんな感じだな」
草薙「……悪い、少し考えさせてくれ(真顔)」(開けちゃいけない扉を開けそうで怖い)
遊作「?」
Ai(あー……草薙ちゃんこういうの好きだったんだ……)
+++
シミュレーションの内容、「存在するだけで滅びを導くってどんなの…?」という部分を「狙われるから」と縮小解釈することによって「データ上消えればOK」にするという力技ハッピーエンドでした!!!必殺・死んだふり。
もう少し真面目に考えるとそれで時間稼ぎして他の解決策を考える感じかもしれない。
もともと、計算尽くで遊作を利用してデュエルだって実質強制で受けさせたAiが「一緒に来ないか」って疑問系で遊作の意思を確認した事実がいとおしすぎたので遊作に同じセリフでカウンターしてほしいって思っただけの話なので見逃して欲しい。
最初にソルティスのデータ削除を確認してるのは、クイーン以外にソルティスAiのガワ見たの、運が良ければお兄様の秘書(?)の早見ちゃんくらいじゃない??というのがあって(犯行声明の動画どれくらいの社員が知ってるんだ…)(粛正された上層部見てるかな~)、できればあの外見使って欲しいな!!!!というそれだけの理由ですそもそもクイーンが見てるから無理があるとは思ってる(そんなんばっかりか)
お兄様はAiのテロについてナチュラルに隠蔽工作してくれましたそれくらいやってくれるって信じてる(無茶ぶり)
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